フローリアン・ド・ジェローデル
ふろーりあんどじぇろーでる
フローリアン・ド・ジェローデルとは『ベルサイユのばら』の登場人物。pixiv上ではジェローデルと表記されていることが多い。
ジャルジェ将軍がオスカルを結婚させようとした時真っ先に名乗りをあげた。
オスカルの気持ちを余所に結婚話は進み、アンドレも「ついにオスカルが自分以外の男と結婚してしまう」と諦めかけていたが、ある時廊下で鉢合わせしたアンドレに、ジェローデルは余裕顔で話しかける。
そしてヌーベル・エロイーズ(実在する当時のベストセラー小説)の話を引き合いに出し、
「アンドレ・グランディエ ぼくにも妻を慕う召使を妻のそばにつけてやるくらいの心の広さはあるつもりです きみさえよければ…」
このジェローデルの一言にアンドレはものすごい形相で怒り、持っていたショコラをジェローデルにぶちまけた。
「そのショコラが熱くなかったのをさいわいに思え!!」
そうして、思い詰めたアンドレは、ヌーベル・エロイーズを読み「自分とオスカルは死によってしか結ばれない」と思いオスカルに毒ワインを飲ませて心中しようと試みる…。
オスカルが毒ワインを飲む前にアンドレがグラスをはたき落とし、アンドレは自分の身勝手さを悔いて涙を溢す。
思い詰めたアンドレの心を知り、またアンドレに心引かれていたオスカルは「アンドレが不幸になれば自分もまた不幸になる」とジェローデルに告げ、ジェローデルも彼女の心の内を知り、潔く身を引くのだった。
1979年昭和テレビアニメ版では30話でオスカルの結婚話が持ち上がり、ジェローデルが名乗りを上げる。
しかし結婚する気など無いオスカルはフランス衛兵隊の勤務で屋敷には戻らないと一蹴してジェローデルに冷たい態度を取る。
ジェローデルはアンドレを引き合いに出し「もしわたしが貴族などという面倒な家柄でなければ、あなたの従僕にでも馬丁にでもなってみせるのに」と無神経な発言をしてますますオスカルを怒らせた。
「貴族である以上、従僕の事を言う資格はない。あなたにも、わたしにも」
ジャルジェ家の婚活パーティー会場に、オスカルは軍服のまま現れ、「女性が誰もいない奇妙な舞踏会、わたしには場違いですね」とだけ言って立ち去る。
ジェローデルは苦笑し、ジャルジェ将軍に婚活舞踏会での顛末を告げて縁談話は終わっている。
1979年公開の実写映画版ではマーティン・ポッターがジェローデルを演じる。
立ち位置は原作とほぼ同じ。
ジェローデルから屈辱的な提案をされたアンドレはジャルジェ家を出ていってしまい、オスカルも婚約発表の宴をぶち壊し、街頭へ飛び出す。
2025年劇場アニメ版(映画ベルサイユのばら)では、ジェローデルがヌーベル・エロイーズを引き合いに出してアンドレを怒らせるシーンは無く、アンドレは「オスカルが自分以外の男と結婚し、自分は失明して彼女を見ることすら叶わなくなる」恐怖から『自発的に』オスカルに毒ワインを飲ませて心中しようとしている。
オスカルの心の内を知りジェローデルが身を引くのは原作と同じ。