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概要

山本英夫の漫画作品、2003年より『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載、2011年12月号をもって完結。

山本氏が大麻取締法違反の容疑で逮捕されたためビッグコミックスピリッツ2008年28号を最後に休載していた(この時は出版社側の要請でなぜか報道されなかった。)が、2009年34号より連載再開。

独特の世界観が話題となり、現在の累計発行部数は400万部を突破している。2021年に主演・綾野剛、監督・清水崇で実写映画化され、後にNetflixで独占配信された。テーマソングは、millenniumparadeの「trepanation」。

単行本には「作品中の『トレパネーション』は極めて危険な行為です。絶対に真似をしないでください」と警告文が書かれており、当時の単行本に付いていた本帯にも明確に示されていた。

あらすじ

新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・ 名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

登場人物

本作の主人公。新宿の公園付近で車上生活を送るホームレスの青年。34歳。

虚言癖があり、他のホームレスとは馴染めずにいる。伊藤から頭蓋骨の穴を開けるトレパネーションという手術を受けたことによって、トラウマに基づく深層心理が具象化した姿・ホムンクルスが見えるようになった。

かつては外資系金融のエリートとして働いていた。ちなみに整形手術をしており、整形前の顔にまつわる記憶が一切なかった。

不気味な医学生。1981年6月23日生まれ、22歳。実家は病院を経営しており、裕福な家庭で育つ。

名越に興味を持ち、彼にトレパネーション手術を施す。厳格な父親の元に行く時以外は派手なアクセサリーを身につけている。名越のホムンクルスの世界では、グッピーが映る水のかたまりをした人間として映る。

小学生の頃に飼っていたグッピーを美の象徴として捉え、それ以降は虜になり女装をしていたことがあったが、グッピーを父親に殺されたことがトラウマになっている。

本名不明。名越のホムンクルスの世界では、ロボに守られた少年として映る。新宿で小指詰めの組長として恐れられていたが、その真底には、少年の頃、農作業中に誤って友達の小指を鎌で刈ってしまった事によるトラウマがあり、懺悔の念を感じながらもそれを紛らわすために虚勢を張って(名越にはそれがロボに映った)やくざになってしまった過去を持っていた。76本の小指を刈ってきたが、名越との関わりを通じて罪と向き合い、やくざからの更生を決意する。そして77本目に自らの小指を刈ることで罪悪感から解放され、ロボも見えなくなった。

渋谷のブルセラ店で「1775」のナンバーを下げ、商品として売られていた女子高生。当初は名越らから1775(いちななななご)と呼ばれていた。

名越のホムンクルスの世界では、砂の人間として映る。両親はいわゆるマニュアル世代で、子供の頃から過剰なまでの教育を受け続けた結果、自失状態の人間となってしまった。

万引きのドサクサに紛れて伊藤に連れて行かれ、「初体験の相手をする」といわれるも、カラオケボックスで暴言を吐いて一蹴。その後名越によって車で自宅へ送られるも、車内に携帯を忘れて名越に持ってこさせた。その後、名越と着衣行為に及び、彼に処女を捧げた。

名越が外資系金融に務めていた頃に知り合った虚言癖のある女性。名越と同様、顔を整形しており金や物だけを信じている。ホームレスになった名越に執拗に付きまとい、名越から整形したななこではないかと思い込まれる。実際は別人だが、過去に「さとし」という男に捨てられた経験があるため、名越と共鳴してトレパネーションを受けることになる。

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