概要
CV:田中文哉
マーチは2021年現在でモンストの最高難易度とされる轟絶の3周目「異形なる音色」の最後の1体で、通算15体目、闇属性では3体目の轟絶キャラとなる。
クエスト名は「連(つら)ねし行進曲」
イラストを見ると、獣神化前では長く曲がりくねった黄金の道とその上にある建物や車、その先端には旗や笛のようなもの、さらにその先には城郭のような物体も見受けられる。全体として何が描かれているのかイマイチ分かりづらいが、その全貌は獣神化後のイラストで判明する。道のように見えていたのはマーチの胴体にあたる部分で、付属している足のような部位で行進を続けている。また、白骨化した手で香炉を持ち、これまた白骨化しているヘビを従えながら旗を掲げている。向かう先に見えた城郭は見えない(クエストの最後のステージではそれらしきものが確認できる)が、マーチの元ネタがただの行進曲ではなく葬送行進曲であることを踏まえると…まあそういうことだろう。
降臨
初降臨は、2020年11月27日の午後7時から2時間。
ギミックとしては、おなじみの「属性効果超絶アップ」と「弱点効果アップ」、それから初実装となる「レーザージェネレーター」が登場する。これは、手番のキャラが壁に触れるとその場所にジェネレーターが設置され(1つの面に最大1つ)、手番が終わるとその壁の垂直方向にレーザーが発射されるというギミックで、レーザーの威力や大きさは設置したジェネレーターの数によって変動し、4つ設置した場合に最大の強さ・大きさとなる。
アビリティとしては地雷と減速壁が推奨されていて、反射制限も出現する。減速壁は必須、地雷はロックオン地雷のみ登場するので全てのキャラが対応している必要はないが、高頻度で設置されるため注意が必要。
クエスト内容
まず、降臨前から多くのストライカーが危惧していた通り、殆どの敵には(基本的に)レーザージェネレーターでしか満足に攻撃が通らず、それも4つの壁全てに触れたときの最高火力でないとまともにダメージを出すことができない。したがってクエストを進めていく上では、レーザーで攻撃したい位置の上下左右いずれかにジェネレーターを設置しつつ4つの壁面に触れるように弾かなければならない。「それだけなら割と簡単じゃん?」と思うかもしれないが、そこはさすが轟絶、これに加えて考慮すべき要素が次々に現れる。ともかく、ステージを見ていこう。
バトル1
中央やや上にシャドウドラゴン(中心弱点)、そして自陣とシャドウドラゴンの間にぷよリンが4体、横一文字に並んでいる。ぷよリンは直接触れて、シャドウドラゴンはレーザーでそれぞれダメージが入る、恒例の新ギミックを紹介・確認するバトルとなっている。故に突破は容易…と思いきや、シャドウドラゴンは毎ターン伝染霧を放ってくるため、キャラの重複が多い編成でのんびりしていると出戻りは必至だろう。ぷよリンはまだ本気を出していない。
バトル2
画面右上と左下に1体ずつ、中央に階段状に2体、計4体のマクベス(中心弱点)が配置されている。左上のビットンが即死攻撃を放つ8ターン後までに突破する必要があるのだが、このマクベスが曲者で、1体でも残っていると他全員を蘇生(ついでに自身を全回復)してしまうため、全てのマクベスを同時に倒さなければならない。これは他のバトルに登場するマクベスについても同様であり、ジェネレーターを設置できる数に限りがある以上、どのレーザーでどのマクベスを倒すのかを厳密に考える必要が出てくる。このクエストの難易度を上げている主要な原因の1つである。バトル2に関しては、初期配置によっては固定打ちも可能なのだが、上手くいかないときはとことん上手くいかず、ビットンの発狂に間に合わずに敗北するストライカーが後を絶たない。
バトル3
左下にマーチ(中心弱点)が登場、その上方と右方、画面右上にマクベスが1体ずつ、そしてぷよリンが3体配置されている。勇んでこのバトルに突入したストライカーの目に入るのは、1つでステージの半分近くを覆うほど巨大なレーザーバリア×3だろう。ぷよリンが展開しているこのレザバリはジェネレーターから放たれるレーザーを遮ってしまい、当然ぷよリンを倒すまで消えない。また、マーチはバトル開始直後は弱点を露出しておらず、マクベスを同時処理してクロスドクロを発動して初めて弱点が出現し、レーザーによる攻撃が通るようになる。まとめるとこのバトルの攻略は、①ぷよリンを直接攻撃してレザバリを消し、②3体のマクベスを同時に撃破してマーチの弱点を出し、③マーチに攻撃を加えて倒す、という3段階に及ぶのである。マーチの即死攻撃までは9ターンあるのでなんとかなりそうだが、なんと4ターン目と7ターン目にはぷよリンが2体復活し、レザバリも再展開される。そのため③に割けるターンはそこまで多くない。ちなみにこのバトル以後のぷよリンは、全てこのサイズのレザバリを展開している。
バトル4
中央に中ボスのハーメルン(中心弱点)、その左右にはコブラ(中心弱点)が1体ずつ、そしてまたもやぷよリンが2体。ハーメルンの即死攻撃までの猶予は7ターンで最初から弱点も露呈しており、やっかいなマクベスもいないのでゆっくりできる…と思いきや、全くそんなことはない。まずコブラだが、近くにいる味方に1ターン約5000の毒を付与してくる。パーティー全員が毒を貰い、かつ回復手段がない場合、毒ダメージだけでも5ターンほどでゲームオーバーである。それから、ハーメルンが毎ターンイノシシ(弱点なし)を召喚する。このイノシシは単なる障害物ではなく小さいながらレーザーバリアを纏っている他、ぷよリンのように一撃で倒せるわけではなく、なかなかしぶとい。ついでに毎ターン移動する。よってこのバトルで悠長にしていると、嵩む毒ダメージと増え続けるイノシシによって収拾がつかなくなる。親玉であるハーメルン自身は壁際に移動することが多いので、できるだけ素早く撃破してしまいたいところである。
バトル5
円を描くようにマクベスが8体配置されている。8体の同時処理は全バトル中最多だが、実は壁の四隅に向かってショットすると比較的容易に突破できるため、轟絶にしては珍しい簡単なバトルとなっている。ここを抜けるとボス戦に突入する。中央のビットンがレザバリを纏っているのを見て何かを察したあなたは間違っていない。
ボス1
中央上方にマーチ、右下と左上にマクベスが1体ずつ、コブラが右上、中央、左下に1体ずつ、ぷよリンが2体。バトル3にコブラが追加された構成となっており、やはり適切な順序を踏んでいく必要がある。また、マーチがぷよリンだけでなくコブラも蘇生するようになっているため、結果として毒をもらいやすく、長期戦になるとバトル3以上にジリ貧になりやすい。
ボス2
中央よりやや右下にマーチ、その上方と左方には久方ぶりにシャドウドラゴンが配置されている他、ビットンがマーチの右下と左上に密接している。マーチの弱点が最初から露出している唯一のステージであり、敵の総数も少ないことから易しめな印象を受けたストライカーもいるかもしれないが、実はかなりの鬼門である。まずシャドウドラゴンであるが、相も変わらず毎ターン伝染霧を発射してくるのに加えてHPが高く、最大火力のレーザー3本程度なら余裕で耐えてくる。そのため伝染霧を複数回食らいやすく、前のステージの毒で消耗していたり、同キャラが多い編成だったりすると体力がみるみる減っていく。次にビットンであるが、なんとレーザーバリアを展開している。ビットンは基本的に倒すことができないのでレザバリも消すことが出来ず、したがってレザバリの合間を縫ってレーザーを当てなければならないのだが、このビットン、イノシシのように毎ターン移動するため、配置によっては非常に困難なショットを要求される場面も少なくない。極めつけに、数ターン後にはコブラが召喚され例のごとく毒をばらまいてくる。このように、弱点が出ているからといって最初からマーチばかり攻撃していると、移動するビットンに阻まれて思うようにダメージが出せず、伝染と毒であっという間に大ピンチ…となりやすいのがこのバトルである。
ボス3
ラスゲ。中央にマーチ、右上と左下にはバトル4以来の登場となるハーメルンが配置されている。ハーメルンを両方とも倒して(相互蘇生はない)マーチの弱点を露呈させて撃破する…というのが大きな流れとなる。しかし、ここまで読んでいただければお察しいただけると思うが、次から次へとレーザーバリアを持った雑魚がわいてくる。まずハーメルンが最初のターンにビットンを召喚。そして、そのビットンとマーチ本人がイノシシを召喚し続ける。このレザバリをもつビットンとイノシシが当然毎ターン移動してレーザーによる攻撃を阻害してくるのに加えて、マーチが中央に位置しているためレーザーを命中させづらい。地味にハーメルンの耐久力が高いのも落とし穴で、マーチへの攻撃に取りかかる頃にはイノシシだらけ…といった光景も珍しくない。
総じて新ギミックであるレーザージェネレーターを駆使するのは勿論、その妨害となる諸要素を排除・考慮しながら立ち回るクエストとなっており、轟絶の名に恥じない難易度と言えるだろう。
初降臨
初降臨時の様子を解説するにあたって、ちょっとしたエピソードを紹介したい。
最初の降臨から帰還したストライカーたちに最適正と目されたのは以下の面々だった。
- 降臨の少し前に登場し、そこそこ友情コンボが通り、ダッシュによるスピードとSSによるサポートで隙の無いマルタ
- 超スピード型で壁に触れやすく、状態異常回復により毒を治癒できるSAOコラボのアリス
- マインスイーパーは持っていないが、2巡で打てるレザバリ消滅SSを有するクエリー
したがって、後に公表される「みんなのクリアモンスター」でも彼女らが上位を占めると予想されたのだが、実際には…
1位 ペ ル セ ウ ス
多くの人が予想し得なかった結果に驚愕したものであった(2位はマルタ)。同時に、このような結果になった理由について様々な推測が飛び交った。確かに、ペルセウスは友情アップと白爆発という抜群に噛み合った友情コンボを持ち、同期であるマルタとのコンビが有名で(通称ペルマル)、マーチにおいても一定の戦果を上げたのだった。しかしそれでも1位になるのはマルタのはずである(ペルマルは基本的にマルタを複数編成するし、ペルマル以外でもマルタは起用されたため)。それにもかかわらずマルタが2位に甘んじた理由として考えられるのが、2020年4月に実施されたVer.17.0へのアップデート以来、「みんなのクリアモンスター」の集計において「クリア回数」だけでなく「クリア率」も考慮されるようになったことである。つまり、
【クリア回数】 マルタ>ペルセウス
【クリア率】 ペルセウス>>>>>マルタ
ということである。ここでクリア率に注目すると、もちろん初回降臨からペルセウスを採用した慧眼ストライカーの勝率が高いというのもあるのだが、レーザージェネレーターを用いて正攻法で臨んだストライカーの勝率が、クリア回数において圧倒的優位に立っていたマルタが総合的にペルセウスを下回ってしまうほど低かったことも分かるだろう。
この「ペルセウス1位事件」が非常によく象徴しているように、初回降臨においては、その斬新なギミックと難易度の高いステージ構成を前に、正攻法で挑んだストライカーの多くが敗北したのである(2回目以降の降臨では効率の良いジェネレーターの設置法の普及や後述する適正キャラの増加により大きく易化したのだが)。
適正キャラの増加
決して適正キャラが多いとは言えなかったマーチだったが、他の轟絶の例に漏れず適正キャラが追加されていった。主なものを挙げると
- MS(マインスイーパー)は未所持だが、超スピード型に加え幻竜封じMによりシャドウドラゴン等に強く、2巡のビットン破壊SSを持つヒバナα
- MSはないが状態異常回復を持ち、特有の友情とSSによるサポートも得意な「運枠」イグノー
- 獣神化改によりMSを獲得し、耐性やドレイン、HP吸収付与SSによる安定感が売りのゼウス
そして…(時期としてはイグノーの前だが)
- 超スピード型による機動力、弱点キラーと2巡の弱点強化SSによるレーザー火力、強化次第だが単騎でマクベスを一掃できる友情力、全てを兼ね備えた最適正のオニャンコポン(救世神)
彼女の登場によりクエストの難易度は大きく下がり、今に至る。
性能
愉悦を掲げしもの マーチ(獣神化)
種族 | 幻妖 | ||
---|---|---|---|
撃種 | 反射 | ||
戦型 | バランス | ||
ステータス | HP | 攻撃力 | スピード |
極 | 20251 | 15135 | 254.93 |
タス | +4900 | +7400 | +129.20 |
最大値 | 25151 | 22535 | 384.13 |
アビリティ | アンチ重力バリア/超アンチウィンド | アンチ減速壁(ゲージ)/ダッシュ(ゲージ) | |
---|---|---|---|
ストライクショット | 快楽に高鳴る鼓動が刻む破滅の歩み (ターン12+12) | 貫通タイプになり、敵を貫く | |
友情コンボ | 超強分裂貫通衝撃波【闇属性】 | 壁に当たると分裂し、複数回反射する強力な属性貫通衝撃波で攻撃 | 威力17571 |
副友情コンボ | エナジーソード【闇属性】 | ふれた壁面数に応じて長さが伸びる属性エナジーソードで攻撃 | 威力20500 |
ラックスキル | シールド | 稀に自身へのダメージ量が激減する |
種族は轟絶共通の幻妖。
新友情コンボのエナジーソードを持つ。エナジーソードは、ふれた壁面数に応じて長くなり、最初はボール1つ分ほどの長さだが徐々に伸び、最大で長薙ぎ払いほどの長さになる。また、手番の味方に向かって(マーチの手番で友情コンボが誘発された場合は誘発した味方に向かって)伸びる特性がある。そのため発表当初は「短いだけのプラズマ」などと揶揄されたりもしたが、プラズマ(バランス型で7090)や超強プラズマ(バランス型で14181)より威力が高く(20500)、配置次第では高火力が期待できる。超強分裂貫通衝撃波は弱いわけではないのだが、砲撃型ではない上に狙って当てるのは難しく、汎用性はあまり無いだろう。
SSは、12+12ターンの貫通化。「轟絶なのに地味だなぁ」と思うかもしれないが、実はこのSS、敵に当たった際の減速率が非常に大きく低下するという特徴をもつ。また、1段階目は1.1倍、2段階目は1.2倍と攻撃力に倍率が掛かる模様。障害物に当たっても進み続けるその姿は、さながら行進曲の顕現である。
アビリティは素アビリティにアンチ重力バリアと超アンチウィンド、ゲージでアンチ減速壁とダッシュ。やはり行進曲を意識してか、こちらを減速させる重力バリアと減速壁に対応しているだけでなく、超アンチウィンドとダッシュによる加速が見込める。特に重力バリアと減速壁の組み合わせが優秀で、【超絶】ヒヒイロカネや【轟絶】イグノー、【超究極】ジャスティス市長などで最適正とされている。イグノーの場合は、互いのクエストにおいて最適正ながら何かしらの障害も抱えているという、一風変わった関係にある。
まとめると、癖の強めな友情コンボ故に汎用性はあまりないものの、優秀なアビリティセットにより適正が多く、活躍の機会のさらなる増加が見込まれる優良なモンスターと言える。
バックストーリー
性格 | 自由気ままで明るく前向き |
---|---|
好きなもの | 皆と一緒に行進すること |
苦手なもの | 歩くのを止めること |
手に持った香炉から発される良い香りとマーチが体を揺らしたときに鳴る楽しげな音に惹かれて生物がやってくるが、マーチの背の道で行進を始めたら最後、次第にマーチに吸収されていき、やがては完全に一体化してしまう。なかなか恐ろしい生態なのだが、行進を至上の幸福であると信じているマーチは、自分に取り込まれた者たちは自分と一体化して行進をすることでこの上ない喜びを得ていると思っており、何が起ころうとも決して行進を止めようとしないという。悪意がないのが一番質が悪いというやつである。
余談
クエスト中に登場するハーメルンから、「ハーメルンの笛吹き男」を連想する人もいるだろう。詳細は該当記事に譲るが、最後に子どもたちを連れて行進しているところなど、マーチと重なる要素も見受けられる。もしかしたら、マクベスやシャドウドラゴンにも似たような類似点があるのかもしれない。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
オルフェウス(モンスト):同CVのモンスター