メタルK
めたるけい
ジャンプ1986年24号から33号まで、全10話連載された。
婚約者に両親を殺され、自身も生きたまま焼かれた少女が、15年後にサイボーグとなって甦り、硫酸を含んだ溶解性の人造皮膚を駆使して、かつての婚約者と彼を操っていた組織の人間を殺していくと言う、従来の少年漫画とは真逆の陰惨な復讐劇。
サイボーグとなった主人公の人造皮膚が溶けて骸骨の様な本体が露出され、溶けた人造皮膚に含まれた硫酸で溶かされて殺される人間の描写はかなりグロテスク。
それ以外にも、
「キツネ狩りと称して何の罪もない男女がキツネのマスクを被せられて銃殺される」
「象皮病を改良したウィルスによって人間がミイラにされる」
「主人公に返り討ちにされた殺し屋の生首がマネキン人形の胴体に乗せられてシャワールームに晒される」
など生理的にかなりきつい残酷描写が目白押し。
作者によれば、10週で打ち切りとなったのはアンケートでの人気がなかった為ではなく、編集部によって連載開始時に決められていた(作者自身には知らされていなかった)、とのことである。
また、連載第2回目にしてジャンプの巻末に掲載されるという屈辱的な仕打ちを受けるが、後年に発表された自伝的漫画『連載終了!』では、巻来の当時の担当編集だった松井栄元が「この漫画あるいは俺(松井本人)が担当する漫画を嫌っている人が編集部内にいるのかもしれないね」と述べるシーンが描かれている。
※実際、松井はジャンプ編集部内で「集英社の害虫」と呼ばれるまでに嫌われていた。
しかしながら、その異端ともいうべき作風と斬新な設定ゆえに読者人気は編集部の予想以上に高かったそうで、連載第5回目にして連載延長の会議にもかかるほどであった。しかし、担当編集の松井は役職がなく、連載会議に出席できなかったため意見具申をできなかった。
残念ながら本作の連載続行は叶わなかったものの、その後間を置かず『ゴッドサイダー』の連載が始まることとなる。
宇田川優
薔薇十字団関係者の粛清で偶然慶子と出会った青年。彼もまた陰謀により飛行機事故の偽装工作で死亡扱いを受けるも生き延び、中東で傭兵生活を続け、復讐目的で帰国。警察関係者を屠るも、生体兵器『ウェポノイド』に瀕死の重傷を負わされ、伊郷瑠の手で半機械化される。