概要
ゲーム中でメインとなる舞台「レスタニア」において最も勢力を伸ばし、主人公を含む覚者たちと敵対している魔物「オーク」の首領。他のオークたちより一回り大きい体格を持ち、両手に持った棘付きの棍棒で戦う。 オープニングムービーやベンチマークなどの映像媒体で早くから登場しており、大ボス格の敵キャラクターとして存在感を示していた。
覚者のリーダーであるレオ、そしてグリッテン砦の防衛を務めるヴァネッサとは幾度となく激突してきた因縁の相手であり、ヴァネッサいわく「オークの中で一番臭い」そうだ。
初戦闘となるのはメインクエスト「友の来訪」。エルフ族の青年キースヒルトの命が収められた『命の器』を取り戻すべく、主人公はレオと共にモゴックの本拠地、ガルドノック砦に攻め入る。モゴックはガルドノック砦の最深部で主人公たちを迎え撃つするが、最終的に倒され、命が漏れかけた状態で手下のオークたちに引きずられながら撤退していった。
強さ
上で述べたように、モゴックは世界観に深くかかわる重要人物でもある。しかし、ゲーム上で実際に敵として登場した彼の強さは、プレイヤーの想像を超えるものだった。
基本動作は一般的なオークと同じで、両手の棍棒を駆使して戦う。それだけならオークと戦ってきたプレイヤーたちにとってまだ良かったのだが、彼には通称「モゴック乱舞」と呼ばれる必殺技が存在する。左手で相手を指差し、「きさまぁー」や「こーろすぅー」といった宣言の後に、文字通り無双乱舞の如く両手の棍棒を振り回しながら突進し、10発前後もの連撃を叩きこんでくるというもの。
このモゴック乱舞に巻き込まれたら最後、覚者は最後の一撃で吹っ飛ばされるか、途中で体力が尽きて死ぬまで延々と連撃を喰らうことになる。しかもDDONの多くのボスたちと同様に彼にも「怒り状態」が存在し、その状態で繰り出すモゴック乱舞は冗談抜きで目に留まらない速さである。ファイターの盾やシールドセージの大楯でガードしようとしても、普通にガードするだけではあっという間にスタミナが底を突きてしまう。しかもその威力たるや、適正防具であっても余裕で体力満タンから死亡まで追い込まれるほど。
このモゴック乱舞によって復活力(死亡してもその場で復活できるための力)を使い果たし、ゾンビアタックによってメインクエストをクリアした覚者は数知れず。ほとんどトラウマに近い衝撃をプレイヤーに与えることになった。
2015年11月、8人パーティーで参加する大規模コンテンツ『グランドミッション』の一つである『グリッテン砦攻防戦』において、新しい戦況にモゴックが大ボスとして登場することが告知された。メインクエストでの戦闘経験があるだけに、プレイヤーの多くは『あいつとまた戦うのか』と恐怖し、一方では『8人なら余裕だろう』と高をくくるプレイヤーも居た。
実際、メインクエストでのバトルフィールドだったガルドノック砦は毒沼や棘など、あからさまにプレイヤーを邪魔する仕掛けが満載された狭いフィールドであり、それがモゴックの難易度に拍車をかけていた面もあった。一方でグリッテン砦は何もない平坦なフィールドであるため、前より戦いやすいという考えも一理あったのである。
しかし、モゴックは彼らの想像の斜め上をいった。
当時、レベル45が最高であったDDONにおいてレベル47で登場。それだけでもただごとでないのだが、なんと防具をきちんと揃えてもほとんど攻撃がかすっただけで即死するという異常なまでに高い攻撃力で登場したのである。モゴック乱舞の一発一発で即死ダメージは当たり前、大ジャンプしての斬りつけ技に至っては9999のカンストダメージが出るという凄まじい破壊力の前に、8人パーティーで臨んだ覚者部隊は無双ゲームのモブキャラの如く薙ぎ倒され、それまでのグリッテン砦攻防戦ではほとんど見られなかった「ミッション失敗」が続出するという事態になった(もっとも、これは実装当時の不具合で制限時間が想定より短くなっていたことも関係しているが)。
一方で、きちんと動きを見れば対処可能なモーション、高い攻撃力による緊張感、DDONのボスモンスターで不評だった「揺さぶり」がない、空を飛んだり厄介な魔法攻撃をせずあくまで近接攻撃で攻めてくる、といった要素から「戦って楽しいボス」として次第に評価されていき、特に接近戦で渡り合うファイターやシールドセージの覚者にはモゴックと戦うためだけにグランドミッションに参加する者が後を絶たなくなるなど、いつの間にかDDON屈指の人気ボスモンスターとしての地位を確立していくことになった。
公式もそれを認識しているらしく、最近はゲームの特典としてなんとゲーム中の部屋に置ける体育座りのぬいぐるみが実装されることが告知されている。