概要
『うみねこのなく頃に』にて六軒島を支配する残虐な無限の魔女ベアトリーチェが使役する、紳士的な振る舞いを尊ぶ大悪魔ロノウェ。
暴走した元弟子を止めるために眠りから目覚めた大魔女、先代ベアトリーチェことワルギリア。
二人は相対する立場で登場したものの旧知の間柄であり、共にベアトリーチェの理解者であるという、いわば同士の関係だった。事実、顔を合わせてからの言動の端々から互いへの敬いや信頼を感じさせている。
物語が進行する度に彼らは主人公である右代宮戦人の敵や味方と、実に目まぐるしく役割を変えていったが、当人同士はいかなる時も旧来の友人らしい深い信頼関係で結ばれ、目的を同じくして行動していた。
以下、『うみねこのなく頃に散』ネタバレ
物語の最終盤『うみねこのなく頃に散』EP8にて彼らを初めとする幻想の住人たちは、魔女を自称する「真犯人」の恩人や縁者を基にした空想に過ぎないと存在を否定され、まともな反抗も出来ないままに惨劇の推理者たちに蹂躙される事になってしまう。
だが一切の魔法が封じられた絶望的状態であってもロノウェはその身一つで敵の眼前に飛び出し、ワルギリアたちに逃げる時間を与えるためだけに決死の戦いを挑むのだった。
……所詮彼らはクリスマスのサンタのように希薄で儚い存在かも知れない。
だが命をかけて魔女を救おうとした一人の紳士の魂は、例え虚構の世界の中であっても確かに存在していたのだという事を読者は記憶するべきだろう。