一つの指輪は、すべてを統べ、
一つの指輪は、すべてを見つけ、
一つの指輪は、すべてを捕えて、
くらやみのなかにつなぎとめる。
影横たわるモルドールの国に。
概要
『指輪物語』『ホビットの冒険』、それに連なる作品群のキーアイテムである。
一つ(the One)、主なる指輪、支配する指輪、指輪の中の指輪とも言われる。
※以下は、原作に基づく設定であり、『力の指輪(ドラマシリーズ)』や『ロード・オブ・ザ・リング(映画)』の設定とは一部異なる場合があることに注意。
これ以前に作られた、使用者に強大な力を与える魔法の指輪である19の「力の指輪」、およびその所有者たちをも支配する力を有する、最強にして唯一無二の力を持つ指輪。
19の力の指輪が各種族の王侯たちの手元にあることから、それらと所有者たちとをこの指輪で支配することで、サウロンが中つ国のすべてを支配する計画だった。
サウロンはこの指輪を完成させた時、「力の指輪の詩」(記事冒頭にあるのはその一節)を歌ったが、その歌が力の指輪の製作者であるケレブリンボールに聞かれてしまったことで計画が察知され、ケレブリンボールらエルフ族は力の指輪のうち自分たちの持つ3つを隠匿、サウロンの計画は土壇場で狂ってしまう。
その後紆余曲折の末、エルフと人間の同盟軍にサウロンが敗れた折に彼の手から指ごと切り落とされて一時は人間たちの手に渡ったものの、後述するこの指輪の性質もあってそこに留まることは無く、失われて長く行方知れずとなっていた。
一作目のホビットの冒険から登場し、指輪物語ではこの指輪を巡る戦いが起きる事になる。
特徴
見た目は何の装飾もない金の指輪だが、熱するとサウロンが刻んだ銘文(記事冒頭の文言。設定上はフェアノール文字による暗黒語で記述されている)が浮かび上がる。
流転を重ねても本質的な所有者は創造したサウロンただ一人であり、真価を発揮するのは本来の持ち主の手に戻った時のみ。
それ以外の者が手にした場合でも、能力の増幅のほか、姿を消す事が可能となる、不老長寿を得るなどの効力はある。
ただし悪しき力が込められているため、例え善良な者が手にしても、この指輪を所持してると力の誘惑に堕落していく厄介な性質をも持つ。
この指輪自体が主人の下へ戻ろうとする意志を持つかの如くふるまい、所有者に自滅的な行動を取らせようとする、周囲の者に指輪を奪いたいという欲求を起こさせる、オーク等の危険を招き寄せる等の効果まである。
それ自体強大である「力の指輪」を支配する力を与えるため、製造に際しサウロンは自身の有する力の根幹をこの指輪に注ぎ込む必要があった。そして、この指輪を破壊しない限りサウロンは生きながらえてしまう。
このことから冥王サウロンの最強の武器であると同時に、『指輪物語』の時代には彼のほとんど唯一といっていい弱点でもあり、破壊すればサウロンを滅ぼす事が可能。
しかしこの指輪自体もドワーフの斧による一撃でさえ傷一つつけられない代物であるため、指輪の鍛造に利用した『滅びの山』(当然ながらサウロンの本拠地であるモルドール内に位置する)の火口へ投げ込む以外、破壊する手段が無い。
そのためのフロド・バギンズら一行のクエストが『指輪物語』の本筋である。
1 of 1 Ring
MTGの指輪物語とのコラボセット、指輪物語:中つ国の伝承にて『一つの指輪』も当然カードとして登場。
一つの指輪/The One Ring |
コスト4 |
伝説のアーティファクト |
破壊不能 |
一つの指輪が戦場に出たとき、あなたがこれを唱えていた場合、次のあなたのターンまで、あなたはプロテクション(すべて)を得る。 |
あなたのアップキープの開始時に、一つの指輪の上にある重荷(burden)カウンター1個につき1点のライフを失う。(T):一つの指輪の上に重荷カウンター1個を置く。その後、一つの指輪の上にある重荷カウンター1個につき1枚のカードを引く。 |
カードとしての詳細はリンク先参照。
これだけなら単なるコラボだが、英語版のコレクター・ブースターに、世界で1枚しか印刷されない特殊仕様カードの封入がアナウンスされており、イラストも通常版とは異なる上に、原作のエルフ文字であるテングワールが書かれている。
シリアルナンバーはイラストに入っており、コレクター番号の代わりに1 of 1 Ringと書かれているのが特徴。
その希少性から全世界で捜索され、懸賞金約3億円がかけられる事態に。
そして2023年7月1日、ついに発見されたのであった。