三の君(とりかえ・ばや)
さんのきみ
右大臣藤原角光の三女。23才。
麗景殿、梅壺、四の姫とは異母姉妹で妾の子。
右大臣の策略によって女東宮付きの尚侍として宮中にやって来る。
ネタバレ注意
女東宮に出仕する際に睡蓮の尚侍(女に戻った涼子)と鉢合わせてしまい、互いの女房たちが険悪な雰囲気の中で挨拶を交わし、道を譲ろうとするが涼子が四の君の姉であるなら自身の姉であるのは同然という言葉を聞くとすぐさま女東宮の御殿の中に入っていくという、したたかな一面を見せる。
ある日、女東宮の寝所に侵入した男が舞人の中にいることが発覚し、涼子に犯人の証拠である衣を手に入れることを提案、そして、犯人の衣を手に入れるが犯人である本人に衣を略奪され、逃げられてしまうが走って犯人を捕まえることに成功し、女東宮の笑顔を取り戻す。
そして、涼子に自身の生い立ちを語り、帝の女御となり皇子を産んで帝と女東宮の役に立ちたいという思いを明かしてから帝への尚侍の仕事を独占し、涼子付きの女房たちの不満を買ってしまっている。
そんな状況の中で宴が行われた際に帝が女東宮の舟にやって来るが、舟が揺れたことで帝が転倒しそうになった涼子を抱き止める姿を目の当たりにし、嫉妬したことで帝を巡って正々堂々戦うことを涼子に宣言する。
帝の寵愛を得ようと五節の舞の舞姫になることに目を付け、父親の角光に自分を推薦させることを頼み込むが通常は12~13才の選ばれた少女たちが舞うこともあり、既に23才であることに難色を示されたが、自身が承知した上での頼みであったため右大臣が折れて舞姫に推薦されることになる。
舞姫になることは女房たちの間でも話題になり、必死に舞の練習をしている姿を見て藤原高子のようだと笑い者にされるが、その姿を見た涼子を感服させ、彼女も舞姫になることを決意させる。
初めて舞姫全員が集まり予行練習で帝の前で舞う際に涼子も舞姫になっていることに喜んでいたが、本番前に涼子が体調不良で辞退したことに困惑するものの、自身は本番の舞台で舞い、美しさを人々から称賛をされ、五節の尚侍と呼ばれるようになる。しかし、肝心の帝の好意を得ることができず、勝ちを譲られたことが悔しいと涙を流している。
朱雀上皇の屋敷に滞在していた女東宮の御殿の庭に怪しい人影がいるのを発見し、人を呼んで捕らえさせるが、その正体は月光であったことに驚き、その騒動によって涼子は一旦、尚侍を辞することになってしまう。
その後、涼子が帝付きの尚侍になったことで銀覚に目を付けられることになり、幻覚たちの企みを聞かせれ、女東宮を守ってほしいと告げられて快く承諾する。
涼子から吉野の宮への使いを頼まれ、吉野の宮に会いに行き、銀覚たちの呪術の証拠品を渡す。
銀覚を無事に断罪し、大祓いの儀の後に東宮を辞した光子が月光を探しに鞍馬山へ行くこと明かしたことで自分たちも一緒に行くことを吉野の宮とともに宣言し、同行することに。深い霧で光子とはぐれてしまうが吉野の宮の言葉を信じ、光子と睡蓮が再会し、二人が戻ってきたことに喜んでいた。
幻覚に呪詛返しを行ったことで倒れてしまった吉野の宮のところへ向かい、内裏から火の手を逃れる際には救助している。
その後、看病のおかげで昏睡状態から回復し、見舞いに来た朱雀院と吉野の宮の会話から二人の秘密を知ってしまうがそれでも、自身は吉野の宮に惹かれており、その気持ちは変わらず吉野の宮に告白し、キスをしたことで二人の仲は急接近することとなる。
涼子が帝の女御となった後、懐妊したという吉報を伝えられた際には光子と手を取り合って喜んでいた。
光子と月光が正式に婚姻を結んだことで左大臣家に行くことが決定し、自身は側で仕えたいと意思を示していたが、新しい東宮の尚侍として宮中に仕えることを勧められ、吉野の宮との恋を応援していることを告げれられている。