三人の学生が幻想郷に落ちてきた。それは、騒々しい神々の夜明け――。
作品解説
「三人の学生が幻想入り」は、三人の大学生とそのうちの一人にくっついている神様が、様々な陰謀の元、幻想郷に落とされ三人がバラバラになり、幻想郷のキャラクター達と共に騒動や問題を解決したり仲間を捜してあっちこっちを行ったり民俗に触れたりする、オムニバス小説である。
ニコニコ動画にて、作者本人の手により動画化した作品を公開している(http://www.nicovideo.jp/mylist/23995160)。その際の立ち絵として、pixivで活動しているあお(http://www.pixiv.net/member.php?id=586031)【以下、敬称略】、凪波(http://www.pixiv.net/member.php?id=384191)の立ち絵を許可を得て使用している。
作風は基本的にほのぼのとしているが、狂気を扱うと途端に作者が生き生きとするので安心しないほうがよい。
登場人物(※この人物紹介はとっかかり用の、読んでいない方のための物です。作品の進行に合わせた人物紹介は小説にて公開予定です)
主人公達
・赤坂真沙弥(あかさか まさや)
二十一歳の大学三年生。六歳の頃、児童神隠し事件に巻き込まれ、結果として一命を取り留めるも赤山明神という神を宿すことになる。
容姿は柔らかい雰囲気の少年。地の文から「ところてんも真っ青の骨のない、ふにゃふにゃというオノマトペが似合いそうな、力の抜ける男の声」と評されている。
性格は温厚にして品行方正。料亭の一人息子(姉と妹は各二名)だけあって料理の腕は一品もの。
大学では民俗学を専攻し、仲間との調査旅行に出ていたのだが、謎の生物に襲われ『世界のひずみ』に仲間もろとも落とされてしまう。
三途の川を航行していた小野塚小町に拾われ、永遠亭に運ばれる。
その顔を見た因幡てゐによると、『オオクニヌシノミコト』とされるのだが…。
・赤山明神(せきざんみょうじん)
「曲げる程度の能力」
日本に来て1200年に達しようかという護法神。十五年前、真沙弥の命をつなぎ止める目的で真沙弥の身体に降ろされ、そのまま彼と共に生きてきた。
真沙弥が飲酒した際にその性格が表れ、神としての権能を振るう。トレードマークは赤いマフラー。
口調は老人言葉を用いながら現代的な用語を使っている。
性格は、社を持つ神としては異様なまでにフランクであり、宗教が混沌としている日本の現状をかなりの部分で受け入れている。
1200年前遣唐使として唐に渡った、のちの天台座主・円仁により勧請され、大陸から日本に渡った異国の神であり、のち、弓を振るう武神としての属性を付与されていった神で、現実に、京都市修学院に祀られている実在の神である。
・松崎恵(まつざき めぐみ)
二十歳の大学三年生。
日本海沖合に浮かぶ政令指定都市、通称『城塞都市』出身の美女。
天才的な頭脳と“淺埜流戦術(アサノリュウイクサジュツ)”という古流武術を習得した、文武両道を極めた才女。ただし巨乳大好きな変態。
大学入学時に真沙弥達と知り合い、以降二年と少しの間に二回も世界を救うハメになる。
・井出陽酉(いで ひばり)
二十二歳の大学三年生(浪人)。
出身地不明。
とある一族に属していたが、その一族郎党が殲滅されたため、現在はある人物の援助により一人暮らしをしている。
能力的にはほか二人を凌駕しているが、幼少の頃から監禁同然の管理のされ方をしていたため、人との接し方にやや難がある。
用語解説
城塞都市
日本海沖合に浮かぶ、半径100キロの超弩級フロートシティ(陸地自体は畳二畳分くらいはある)。海に浮かぶ城。
表向きは科学奨励と、海上実験施設、拡大する日本人口の受け皿、そして日本領海拡大のための平和的戦略都市とされているが、その実態は……。
松崎恵の出身地。
ゼルディオ・グノーリア
ドイツ語で『祝福の進化』と書かれた書物。とある修道女が書いた日記で、真沙弥達の世界で近代の活版印刷技術により世界中にばらまかれた。
日記を読んだ者で力のない者は本に喰われ、力ある者には喰った血潮から異形の能力を与え破壊活動を行わせ、力が溜まると本自体が魔物を構築し人を襲い始めるという魔書。
数ヶ月前に真沙弥達も参加した『戦争』にて原典もなにもかもが破壊された、はずだった。
博楼大学
旧帝国大学。偏差値はデタラメに高く、学生のレベルもこぞって高いが、合格する学生はどういう理由か言い方は悪いが「アホ」が多く、お祭り騒ぎが毎日どこかで起きている。
なお、教授陣も権力闘争とは別の世界で生きている連中であり、過去、新任の教授が学長になるべく手を上げたら「他に誰もやりたがるヤツがいない」という理由で学長に就任したという逸話がある。
料亭・花雲母
真沙弥の実家にして知る人ぞ知る料亭。真沙弥の母方の祖父(故人)と祖母が開いた、百年も経っていない若い料亭だが、店を開く前に築いた人脈と信頼、そして『誰にでも何にでも美味しい料理を出せるように』という信念により、市議会議員と中学生がカウンターで席を並べる光景も珍しくない料亭と言うよりも定食屋に近いメニューと値段設定をしている。
ただし、料亭としての機能を必要とされた場合、そこらの料亭から若い板前が見学に訪れるほどの料理を出せるほどの技量を持つ。
従業員は真沙弥の祖母と母親、押しかけ弟子の花岡さんの基本三名。たまに子ども達が手伝う。
なお、屋号は真沙弥の祖母「赤坂雲母」の名からとられたもの。
その話をする際、誰もがノロケ話としてしか聞いていない。