概要
「三段変身ロボテコンV84」とは、テコンVの7作目にあたる作品である。1984年に公開。
世界観は、前作「スーパーテコンV」から続いているようで、テコンVも82年型がそのまま登場している。
前作の興行成績が良かったため、本作も製作・公開された。しかし本作もまた、あまり評判は高くは無い。作画は、歴代テコンVの中では高め。
ストーリー
いつものように、山中でテコンドーの修行に勤しむフン。
その修行場では、修行のために様々な仕掛けが施されており、フンはそれらを全てかわしていく。
だが、修行を終えて一休みしているフンの元に、一人の女性・ミナが訊ねていた。彼女は科学者である自分の母親・チョが、死んだミナの兄・ジョナをロボットと化して復活させようとしており、自分はそれに反対している事を話した。
同じ頃、チョは自分の研究所にて。ジョナの身代わりロボットを完成させ、起動させていた。
が、落雷のアクシデントから、ジョナは邪悪な意思を持ち、周囲の科学者たちを惨殺。チョをさらい何処かへ消える。
やがて、世界テコンドー大会に参加したフンは、その決勝戦に進んでいた。
その前に現れたジョナは、フンに挑み、ロボット帝国の設立を宣言する。
ジョナはロボットを差し向けて、輸送中のテコンVを奪取せんと企むも、駆けつけたフンが乗り込み撃退される。
が、密かに蝶型ロボットを送り込み、修理中のテコンVのコンピューターに取りついてコントロールを奪ってしまった。
テコンVを操り、フンを攻撃するジョナ。そして各地でも、ロボットたちは反乱を起こし、ロボット帝国の攻撃がここに始まった。
帝国の本拠地では、テコンVを手に入れた事でロボットたちは気勢を上げていた。
しかしそのロボットの中には、いつものヤカンスーツを着込んで、ロボットに成りすまし紛れ込んだチョリの姿もあった。少女のロボットに、本物のロボットだと勘違いされて好かれてしまうチョリ。
やがて、ジョナの前に姿を現すフン。敵に囲まれつつも、再戦を挑む。
そしてテコンVを取り戻すべく、ヨンヒもまたフンとともに侵入していた。
チョは、自分の手で決着を付けんとするも、返り討ちに遭いジョナに殺害されてしまった。
チョリの協力で、テコンVの奪還に成功。フンはテコンVの背中部分の戦闘機に乗り込み、チョリとミナを救出する。
帝国の基地から脱出し、帝国の岩石ロボと相対するテコンV。
岩石ロボのパワーに苦戦するが、テコンVは三体に分離。必殺のテコンドー・シンクロ攻撃(混然一体)で岩石ロボは倒され、敵基地は崩壊。
チョリとミナ、それに少女ロボをその手に乗せて、テコンVは帰還するのだった。
登場メカ
- テコンV
前作(スーパーテコンV)と同じデザイン。中盤で、超小型の蝶型ロボットにコンピューターのコントロールを奪われ、そのまま奪取されてしまう。
上半身と下半身、バックパックの三体に分離する。バックパックは戦闘機に、上半身と下半身はそれぞれ飛行可能な戦車に変形。岩石ロボに組み付かれた際に分離して難を逃れ、三体で別方向から攻撃した。
混然一体システムも搭載しており、最後にはテコンドーの技で追い詰め、とどめに胸部からのビームで岩石ロボを破壊した。
- 岩石ロボ
ジョナが搭乗する、帝国最強の巨大ロボ。岩石の巨像が動いているようなデザインだが、実際は岩石をその身に纏っており、テコンVとの戦いで岩石が剥がれてその身を露わにする。
ジョナの操縦で、怪力や手から放つビームなどを武器にテコンVを追い詰めた。
- ロボット帝国・敵ロボット
中盤に、テコンV奪還のために現れた巨大ロボ。「ビデオ戦士レザリオン」に登場する「G1」「G2」に似ている。
登場人物
- フン
主人公。本作ではキャラデザインが、過去作に比べ若干変更されている。
- ヨンヒ
ヒロイン。フンをサポートし、テコンVが分離した三体のメカのうち、上半身が変形した戦車を操縦する。
- チョリ
ロボット好きの少年。自作のヤカン頭のロボットスーツに身を包み、ロボットに成りすまして帝国内に紛れ込んだ。その際に少女ロボットに好かれ、囚われのミナを助け出す他、ヨンヒと協力してテコンVを取り戻すために尽力する。
- ミナ
チョの娘で、ジョナの妹。今回フンの元を訪ねてきた事から物語が始まった。ジョナの元にさらわれ、母親を助けようとした。囚われていた所を、チョリに救われる。
- チョ
ミナとジョナの母親。ロボット工学者であり、ヨンヒの父・ユン博士とも知り合い。死別したジョナの身代わりロボットを作り、起動させる。しかし邪悪な自我に目覚めたジョナに捕らわれ、最後にはジョナを葬ろうとしたが返り討ちに遭ってしまった。
- ジョナ
チョの息子の身代わりロボットとして作られた。起動したものの、落雷の事故により邪悪な思想に目覚めてしまう。そのままロボット帝国を設立して、各地のロボットを暴走させ、人間社会に挑戦した。当初は生前のジョナを模した人工皮膚で覆われていたが、落雷で剥がれ落ち、ロボット然とした外観を露わに。
テコンドーも心得ており、フンとテコンドー勝負をした。最後に岩石ロボに乗り込み、テコンVに乗り込んだフンと一騎打ちする。
- 少女ロボット
帝国の本拠地にて、チョとミナの独房の世話係として登場する。チョリと同じくらいの身長で、褐色の肌の少女姿。ミナに「人間が食べる食事」を運んでいた。ヤカンスーツを着たチョリの事を(本物のロボットと勘違いし)気に入ってしまい、彼を「ティンロボット」と呼んで頬にキスした(その際に電流が流れ、チョリは感電してしまった)。
動画
本編