『七夕の国』の最重要人物。
概要
丸神家当主であり、里の神官だった頼之は、4年前に突如姿を消し、外部勢力と手を組むという禁忌を犯した張本人として、人々から畏怖されていた。奔放な高志でさえ、頼之には逆らえなかったという。
頼之は、「窓の外に手が届き、見ることができる」数少ない能力者の中でも、特に「手が届く」能力に関しては代々の神官の中でもずば抜けた才能を持ち、航空機や船を丸ごと消し去るほど巨大なものから、小型のものを複数同時に操るまで自在に操ることができた。失踪までは、里の希望の星として人々の期待を一身に背負っていた。それゆえ、おそらく幼少期からその能力を多用した影響と思われる、人間とはかけ離れた容姿のため、常にコートとマスクで全身を隠していた。また、手の変異も作中最強クラスで、完全に機能する第六指が生えていた。しかし、自身を宇宙人呼ばわりした相手に「俺はこれでも日本人だぜ」と事もなげに言い返すなど、容姿による疎外感は特に感じていないようであり、里の人間からも違和感なく受け入れられていた。
結末
物語のクライマックスでは、「窓の外」を死ではなく新しい世界への入り口と解釈し、長年抱えてきた鬱屈した感情から解放されるために、巨大な「窓の外」を作り、向こう側へ行こうとする。その際、幸子も一緒に行きかけたが、南丸が説得し、結局頼之だけが消滅した。
幸子が寸前に思いとどまったことへの悪感情はなく、消滅する寸前にも南丸を含め、「気が変わったら、あとからおいで」と言い残した。