伊頭遺作
いとういさく
ボサボサ頭に無精ヒゲ、上下薄汚れたジャージ姿、汗が染み込んだ使い古しの黄色いタオルを常に首に巻いた、何とも気持ち悪い外見のおやぢ。
その外見に違わず陰気かつ捻くれた性格の持ち主で、猜疑心が強く非常に口が悪い。元は小学校の教師だったが、問題を起こして首になったらしい。
桜蘭学園の用務員として働いているが密かに覗き・盗撮を行っているなどの黒い噂が絶えず、外見と性格の醜さもあって周囲から(特に女子生徒)は蛇蝎の如く嫌われている。
一年前に榊美由紀の妹が強姦されて殺された事件でも真っ先に疑われたが、学園長の家にいたというアリバイがあった。
その正体は、代々鬼畜たることを宿命付けられた一族「伊頭家」三兄弟の長男。
兄弟の中でも残忍・残虐さでは群を抜く恐るべきサディストであり、目的の肉壺を得るためなら手段は択ばず、強盗・強姦・暴行など、犯罪らしい犯罪は何でもやって来た鬼畜外道。
更に、目的の邪魔になると判断した相手や陵辱済みの女性を口封じ兼楽しみのために殺害することを厭わず、まるで虫けらでも潰すかのように惨殺してしまう。
因みに、学園内で黒いうわさが絶えないにもかかわらず首にされないのは雇い主である学園長の部屋を盗聴して弱みを握っているからである。
また、思い通りにならない相手や自分をバカにする相手には容赦がない激情的な一面を持ち合わせており、気に入らないと直ぐに暴力に訴えることも多い。
上記の通り基本的には野性的な勘と暴力で獲物を追い詰める肉体派だが、「用務員」という立場を得て学校に潜り込む・「狩り」の前にあらかじめ弱みを握って思い通りに操れる手駒を用意しておく、手駒を利用して獲物を旧校舎に誘い込み闇に紛れて追い詰める・現場の旧校舎に「狩り」を楽しむための趣向を凝らすなど、下準備に抜かりのない狡猾な一面を見せる。
シリーズでは唯一主人公ではなく「敵役」としての登場であり、アドベンチャーパートで本性を露わにして主人公&ヒロイン勢を追い込んでくる様は正しく恐怖のハンターである。
…ただし、自分のやり方に有利な環境へと相手を追い込むまでの手並みは見事な一方で、相手からの反撃を余り想定していない面が見受けられる。いよいよ自分が狩る段ともなれば相手を無力な獲物と断じて油断が生まれ、有利な状況そのものにあぐらをかいてしまいがち。
また、その粗暴で傲慢な性格がこの欠点に拍車を掛けており、反撃を受ければ受けるほど自分が逆に追い込まれていることを認められず、我を忘れるほど激昂してしまう。
この弱点を獲物の一人である美由紀と主人公に突かれ、最終的に二人の罠にはまって根城にしていた旧校舎の時計塔から転落死させられた。
この点はターゲットの弱みに徹底的につけ込んで抵抗や反撃を完全に封じ、「永遠に俺のターン」を実現したはいいものの、下準備や対策が今一つ甘かった弟の臭作とは長所・短所両面で対照的とも言える。
このため、末弟・鬼作からは「本質は見栄とプライドの塊」「結局最後は暴力と勢いだけ」と否定され、最も具体的な反面教師にされてしまっている。
DOS版のパッケージに封入されている申込用紙を送ることで手に入る購入者特典のディスクおよびWindowsリニューアル版とMacintosh版に収録されているセルフパロディ『盗作』では主人公となって旧校舎を徘徊。バッドエンドではヌードを披露した。