概要
辻村深月による推理小説であり辻村のデビュー作。講談社から刊行された。漫画化もされている。
ストーリー
大学受験を控えた高校3年生の冬、雪の中集まった8人の生徒たちは、無人の校舎に閉じ込められる。クラスの学級委員達8人以外の姿が見当たらぬ中、学園祭で自殺したクラスメイトの名を、どうしても思い出せない。自殺したというクラスメイトがこの状況に関わっているのか。この8人のうち、1人が死んでいるのでは…。疑心暗鬼はふくらみ、彼らは追いつめられていく。
迫る5時53分の恐怖と戦いつつも、過去の闇に立ち向かい、彼らは文化祭で自殺したクラスメイトの名を探し続ける。
主な登場人物
鷹野博嗣(たかのひろし)
青南学院高校に所属する3年生。深月とは幼馴染み。
担任教師の榊とは従兄弟同士であり、容姿もよく似ている。
辻村深月(つじむらみづき)
青南学院高校3年。クラスメイトの角田春子からいじめを受けていた。その影響から拒食症に陥っていた。ちなみに、著者とは同姓同名。
菅原(すがわら)
青南学院高校3年。片耳にピアスをつけている。賭け麻雀と煙草で停学となっていた。
佐伯梨香(さえきりか)
青南学院高校3年。荒れていた頃、当時副担任だった榊に助けられ、以降恋心を抱いている。2人の妹がおり、離婚した母親と暮らしている。
片瀬充(かたせみつる)
青南学院高校3年。梨香に恋心を抱いている。若干弱そうに見えるが、内面は温厚で優しい人物。
桐野景子(きりのけいこ)
青南学院高校3年。生徒会の副委員長を務め、会長の諏訪裕二と共に文化祭の業務をこなしていた。両親は医者で、梨香とは幼馴染み。
藤本昭彦(ふじもとあきひこ)
青南学院高校3年。中学時代に友人が自殺したことがあり、深月の異変に真っ先に気付いた。深月と一緒に帰ったりと、深月を回復させようと努めた。
清水あやめ(しみずー)
青南学院高校3年。成績優秀のA級特待生。尚、絵を描くのも得意で、絵画の全国コンクールで受賞したことがある。
榊(さかき)
青南学院高校3年の担任で、鷹野の従兄弟。茶髪にピアスという風貌で、生徒からの信頼は厚い。
角田春子(つのだはるこ)
友人だった深月と共に陸上部のマネージャーを務め、深月と同じ大学を志望していた。受験のため マネージャーを引退したが、深月はその後もマネージャーを続けた。にもかかわらず必死に努力している自分よりも深月の方が成績が良かったことなどから、深月の存在を疎ましく感じ始める。