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友永和秀

ともながかずひで

金田伊功氏と共に70〜80年代のロボットアニメのアクション、及びメカの戦闘シーンを作画で牽引した、アクション派アニメーター。

概要

  • 作画スタイルは豪快でダイナミック! トリッキーなタイミングと重厚感溢れる描写、また空間感覚に長けたレイアウトなどが特徴。テレコム以降は大塚・宮崎スタイルのよく動く印象が強いが、タイガープロ、OHプロでの作画はむしろ金田氏のスタイルに近く、レイアウトやパース感覚、メカ&戦闘シーンの描写は、逆に金田氏に影響を与えた部分もあったのではと推測出来る面も感じる。代表作は数多くあるが、中でも技術的、感覚的に拮抗していた金田伊功氏と隣り合わせのシーンを担当した『さらば宇宙戦艦ヤマト』の彗星都市帝国との戦闘シーン、劇場版『銀河鉄道999』のアルカディア号の戦闘シーンの2作、『ルパン三世カリオストロの城』冒頭のカーチェイスのシーンはあまりにも有名。
  • 爆発の描写においては、「エネルギーの開放」的表現の金田氏に対し、『火薬の爆発』(2013.6.23開催のアニメ道での考察)をアニメ的に再現した氏の表現は、物理法則に基づいた、より実写に近いリアリティを追求している様にも感じられる。
  • 金田氏とは同世代、お互いの存在を意識する関係で良き盟友、良きライバルとしてしのぎを削り、70~80年代の日本のアニメーションにおける戦闘・アクションシーンの牽引、発展に大きく寄与した。
    • 後に続く若手アニメーターへの影響も大きく、まさに日本のアクションアニメーターのレジェンド的存在と言っても過言ではない。


各参加作品の解説

  • 『宇宙戦艦ヤマト』のPART1においては、第2話より原画で参加しており、印象的なフォルムのヤマト像を初期段階で構築、戦艦大和の沈没シーン、七色星団での戦闘シーン(推測)、最終回のデスラー潜入時の銃撃戦など、印象的なシーンを数多く担当していた。『さらば宇宙戦艦ヤマト』においても、金田氏が作画したとばかり思われていたシーンが、実は友永氏だったという事実が近年になって解明され、改めて当時の氏の作画技術が卓越していたかというのが覗えるエピソードである。
  • グレンダイザー対グレートマジンガー
  • 『マグネロボ ガ・キーン』では#1,♯5,♯10,♯15,♯22,♯28,♯34,♯39に原画で参加。クレジットの詳細は不明だが、作画監督が小松原一男氏の回での参加と推測される。作画の印象は、メカに関しては非常にダイナミックで、この頃のアクションにしてはセンスの良さを感じる。爆発の描写なども、煙が膨れ上がって消えるまでのプロセスをアニメ的に巧く省略しつつ表現していて、後にブレイクする山下将仁氏の表現に受け継がれている。この頃から、ロボット自体の重量感を表現する為に、踏み込むと地面がめくれ上がる動きを取り入れており、某有名アニメーターいわく「こういう表現は友永さんが最初ではないか」と雑談ながら公言していた。
  • キャラクターにおいては、子どもキャラはAプロの『ど根性ガエル』のようなシンプルな描写が印象的で、当時の金田氏とも共通する点。これはどちらが先という事ではなく、同年代で感覚的にも近い二人が、自分なりに当時の最新スタイルを取り入れた結果、たまたま似通った表現になったのではないかと推測出来る。主役、その他のキャラに関しては端正な作画だが、ポージングはどこか力の抜けた、自然なポーズが印象的。後の『姿三四郎』での檜垣源之助(友永氏がキャラデザを担当)が、本作の博士に酷似しており、その点からも小松原氏の影響も受けているのでは、と推測出来る。
  • ルパン三世(TVシリーズ)には第二シリーズより原画で参加。宮崎駿氏(照樹務名義)が関わった『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』が有名だが、テレコム以前の作画も素晴らしく、ひとり原画の『カリブ海の大冒険』、複葉機のバトルが際立つ『白夜に向かって撃て』、戦車の描写やチャップリンのパロディが楽しい『追いつめられたルパン』マモー版を彷彿とさせるヘリコプターとの追っかけが楽しい『父っつぁんのいない日』(推測)等は、より氏の作画スタイルが楽しめる隠れた名作である。
  • 『赤毛のアン』では、初期の宮崎駿氏が場面設定を担当していた回での参加が確認出来る。アンが花に包まれて浮き上がるファンタジー的なカットなども担当していた模様。角川書店発行の『Anne of Green Gables』には宮崎氏のレイアウトが掲載されており、その中の一枚に、宮崎氏から友永氏へ宛てた作画指示なども確認出来る。この作品でのクレジットは第12話までで、おそらく『カリオストロの城』参加の為の離脱と推測出来る。
  • 『未来少年コナン』では第11話『脱出』より参加、後半の第17話『戦闘』以降(ロマンアルバム調べ)は、全ての話数にクレジットされている。氏が参加して以降、メカシーンや爆発シーン、ファルコの飛行シーン等の迫力が増した感があり(筆者の個人的印象…)、この作品での実績が、後のカリ城のカーチェイスや新宿の戦車発砲のシーンに繋がったという側面もあるようである。
  • 『太陽の使者 鉄人28号』では一話のみ、第8話『恐怖の殺人合体ロボ』をテレコムで担当しており、その回の作監補(友永和彦名義)として参加。この回では十数カット、宮崎駿氏が原画を描かれており(都心でロボットが大暴れし、防衛軍の戦車、戦闘機が迎撃するシーン…!?)、大変貴重な回でもある。ちなみに第7話『死を呼ぶ人工衛星』には金田伊功氏が原画で参加しており、宮崎氏が原画を描くという事を知ったNo,1のメンバーが、「テレコムには負けられない!!」と奮起し作画にあたったと、後に山下将仁氏がアニメスタイルのインタビューで語っていたのが印象的。正太郎が車を運転するシーンがあるがその際、作画のお遊びでクラリスが乗っていたシトロエン2CVを登場させるあたりがテレコムらしい。鉄人のアクションは重厚感のある正統派な描写で、後にブレイクするNo.1系のアクションとはまたひと味違った趣きが感じられる仕上がり。コックピットの描き込みなどに、氏のメカに対するこだわりが感じられる。
  • 『姿三四郎』

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