培養肉
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ばいようにく
動物の細胞を人工培養して食肉にしたもの。
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培養肉が市場に出始めてから十年が経った。 初めは評価が散々であった培養肉だが研究の成果もあり一般流通するまでになった。 やがて食のために命を奪うのはやめようキャンペーンが世界中で行われるようになり畜産業は衰退の一途を辿っていた。 しかし日本はどっちつかずの態度をとっていたため世界から冷たい視線を向けられていた。 そんな中、僕は「どっちが培養肉でshow?」という企画に日本代表として出ることになり、現在、すでに二問間違えていた。 後にも先にもない中、第三問目はどっちがWAGYUか問うものであった。 ここで間違えたら敗退する。当てろ、間違えろ。二つの視線に晒されながら僕はプレッシャーと戦っていた。 二つの肉は味も食感も同じであり、まったく違いはなかった。 シンキングタイムの終わりを告げるベルが鳴らされ焦る中、かつて脊椎動物も被捕食者であったことを思い出した僕は 命と命はつながっていることに気づき、最後の一口を食べ終えたあと静かに両手を合わせた。4,523文字pixiv小説作品