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概要編集

妖怪のDNAを持つ『妖人』絡みの不可思議な事件に、洗足伊織とその仲間達、そして二人の刑事が挑むあやかしミステリー。

文字通り『妖怪』がキーワードとなっているが、人と妖人の関係や人間なら誰しもが持っている『心の闇』にもスポットを当てているので、ヒューマンドラマ的要素も兼ね揃えている。元は角川書店から単行本で出版されたが、後に角川ホラー文庫へ移行。以後は書き下ろし含めた全9巻が刊行されている。

表紙イラストは単行本がやまねあやの氏、文庫本は中村明日美子氏とそれぞれ人気漫画家が担当。


作者本人が別名義でも書いている為か、文章からは時おり耽美的な雰囲気が漂う。また『妖琦庵夜話』のという字が変換しにくい為か、『妖奇庵』と記されている場合もある。


あらすじ編集

現代日本社会に突如として現れたヒト変異型遺伝子『妖怪DNA』。そのDNAを持つ人間は『妖人』と呼ばれる。その妖人絡みの事件を調査するのが警視庁妖人対策本部、通称Y対である。

そこに所属する新人刑事の脇坂洋二が、ベテラン刑事鱗田に連れられてやって来たのは、妖人達が集う不思議な茶室『妖琦庵』。その主であり茶道家の洗足伊織は妖怪に詳しく、妖人を見抜く不思議な能力(ちから)を持っていた。

彼らの元にまい込むのは不可思議で、それでいて厄介な妖人事件の数々。そしてそれらの事件の裏側に潜む謎の妖人の存在。

彼と伊織を結ぶものとは果たして────⋅⋅⋅


登場人物紹介編集

洗足伊織(せんぞく いおり)編集

本作の主人公にして探偵。妖人『覚(サトリ)』

容姿端麗にして頭脳明晰な隻眼の美青年。妖怪に詳しく、社会に溶け込む妖人を見抜く能力を持つ。

その為に彼自身妖人でありながら警察に(不本意ながらも)協力している。

口はかなり悪く性格もヒネクレ気味。左目は瞼が縫われて閉じている。


脇坂洋二(わきさか ようじ)編集

本作の警察(人間)側の主人公。

警視庁妖人対策本部、通称Y対にやって来た新人刑事。山の手育ちで高級官僚の伯父をもつお坊っちゃま。

双子を入れた姉が五人いるため、若干趣味嗜好が乙女チック。通称『妖怪マニア』で、(伊織程ではないが)妖怪についてそれなりの知識はある。


鱗田仁助(うろこだ にすけ)編集

脇坂がコンビを組むことになったY対のベテラン刑事。通称『ウロさん』

俗にいう絵にかいたような叩き上げ刑事


夷芳彦(えびす よしひこ)編集

洗足家の家令(使用人頭)であり守人(もりびと)。妖人『管狐』。

管狐の能力として、優れた聴覚、嗅覚、動体視力、均衡感覚、敏捷性をもっているが、筋力は人並みのため各種武術を嗜んで補っている。


弟子丸マメ(でしまる まめ)編集

洗足家の使用人で妖人『小豆とぎ』。

見た目は小学校高学年くらいの幼児にみえるが、れっきとした成人。


青目甲斐児(あおめ かいじ)編集

本作で起きる事件のほぼ黒幕的存在。妖人『悪鬼』。

がっしりとした筋肉質の男で、とある理由で伊織に執拗なまでに執着している。

女性関係のトラブルが絶えず、頻繁に住まいを変えて暮らす。


甲藤明四士(かつとう あきよし)編集

『人魚を喰らう者』から登場する男。妖人『犬神』。

主を持たず、暴走傾向にあり伊織の弟子になりたがっている。

犬神の能力として、優れた運動神経、反射神経や、筋力の強さ、嗅覚の鋭さをもつ


刊行編集

『妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず』

『妖琦庵夜話 空蝉の少年』

『妖琦庵夜話 人魚を喰らう者』

『妖琦庵夜話 魔女の鳥籠』

『妖琦庵夜話 グッドナイトベイビー』

『妖琦庵夜話 花闇の来訪者』

『妖琦庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか』

『妖琦庵夜話 顔のない鵺』

『妖琦庵夜話 ラスト・シーン』


関連タグ編集

ミステリー 和風 妖怪 榎田ユウリ

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