悪いことは本人が一番よく知ってるんだ。バクチ狂の悲哀を描きたいんだ。 ありま・猛
概要
ありま猛のファミリー企画独立直後、最初期の作品。ギャンブル中毒の悲哀を描く。
1981年「月刊スポコミ」6月号より連載開始、第三話から「近代麻雀オリジナル」(9月号~)に移籍。
登場人物のクズ度が連ちゃんパパに勝るとも劣らず、古谷三敏ソックリのほのぼのとした画風で、救いようのない人物たちが淡々と描かれる。
レイプ魔や殺人鬼などの度を越した悪人は出てこないのが救いであるが、作者コメントからも狙って露悪的に描いていたことが窺える。
そのためブーム前の書評で既に「麻雀クズの主人公」「人物のクズっぷりはかなりガチ」と書かれていたほどだが、掲載誌がもともと過激な作品の多い近代麻雀オリジナルのため、さほど違和感はなかった模様。
登場人物
- 藤木賭(カケル)
主人公、通称「カケちゃん」。いつも涼しい顔でタバコをふかしている麻雀打ち。自他共に認める冷徹な男で、唯一、両親に対する孝心らしきものはあるが、それ以外の人情味はあまり感じられない。父にギャンブル代を貸し渋る実兄夫婦を深夜に脅迫し、涼しい顔で寝室に灯油を撒くシーンは語り草である。
- 藤木彦六
- 小滝良男
- 小滝源五郎
- 菊地
- 平井晶子