概要
日本の特撮ドラマの開祖ともいえる作品『月光仮面』において、主人公月光仮面の理念。
言葉の通り、月光仮面はたとえ相手が悪人であろうとも懲らしめるだけで決して命を奪うことはせず、過剰に傷つけることもしない。拳銃こそ持っているが、もっぱら威嚇や牽制、悪人の武器を打ち落とす以外には使用しない。
月光仮面の眉間の三日月は月の満ち欠けを人の心になぞらえ、「今は欠けて(不完全)いても、やがて満ちる(完全体)ことを願う」という理想、「月光は善人のみでなく、悪人をも遍く照らす」との意味が込められており、罪を赦すことでいつか悪人が心を入れ替えてくれることへの願いが込められているのである。
この理念は原作者の川内康範の実家が日蓮宗の寺だったことが影響しているともいわれている。月光仮面の発想は薬師如来の脇に侍する月光菩薩から得られたもので、「正義の味方」という言葉自体も「正義」そのものの神仏への脇役的位置づけを示すものであり、「決して『正義そのもの』ではない」との意味を込めることに川内がこだわったものであり、川内本人は「正義の助っ人」との表現を好んだという。
しかし、この理念もまた使い処を誤れば、優しさと甘さを履き違える原因となったり、相手がもはや改心の余地がないほど堕ちている場合等は付け上がらせるだけになる逆効果の結果を招く場合もあるので、注意が必要である。
関連タグ
悪・即・斬:対照的な信念