概要
「ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない」の主人公。
25歳の元サラリーマンで、1年前に会社が倒産しそれ以来気力を無くして引きこもりひたすらゾンビアクションゲームをしていた。突如発生した異変により、本当に世界がゾンビに溢れて崩壊してしまうが、何故か自分だけはゾンビに襲われない事に気付き、崩壊する秩序と溢れる犠牲者を尻目に、まるで散歩気分で歩いていく。
その特性に反し、性格は慎重そのもの。ゾンビに襲われないという自分の特性をひけらかすことはなく、成果だけを還元して利害関係を築くことが主な方針となっている。
また、これらを利用して自身の欲望を満たすために行動しているのかと言えばそうでもない。ネットミームと化した広告ではまるで食料を盾に性行為を要求する鬼畜であるかのような宣伝をされているが、そもそも深月に体を要求したのも見返りを求める雄介に対し深月が他に取引できるカードを持っていなかったからという事情が大きく、また深月のプライドの高さを見抜いていたため、応じられない要求をして交渉決裂という形で切り上げようとしていたという側面が大きい。
結局深月の「何をしても弟を守らなければならない」という思いから関係を持つことになったが、初心な深月の要求を概ね受け入れながら関係を続けている。そのため最終的には「善人ではないが悪人とも言えない」との評を下され、思いを寄せられ合意に近い形で体を重ねることとなったが、その際にも医療も崩壊した世界での妊娠を恐れる深月に配慮して避妊はするなど、決して「自己中心的な快楽主義者」といった性格ではないことがうかがえる。
自身の能力を自覚してはいるが効果の及ぶ範囲に関してはやや慎重であり、特に開始当初は念のためにゾンビを拘束しておいたり、ゾンビとの性交渉の後、粘膜接触による感染を危惧するなど、どこまで有効な特性なのか推し量っている一幕がある。
また、あくまで知性を失ったゾンビからは襲われない能力であり、当然人間との争いになれば怪我、あるいは殺害のリスクがあるし、作品の途中でその存在が判明する「知性を持ったゾンビ」とは当然人間と同様に敵対する恐れがあるなど、決して無制限に好き勝手ができる能力ではない。
なお、開始前の時点でゾンビに襲われていることから感染源は侵入したが抗体で退けた、あるいは感染したが無症状で留まった状態と推測でき、ゾンビからはゾンビとみなされているので襲撃対象にならないことがこの能力の本質であると考察できる。
自身の感染の可能性は本人も意識しており、深月が風邪を引いた際に感染させた可能性を思案するシーンがある。
余談
ネットミーム化の影響により「抱かせろ太郎」というBATTLEFIELDシリーズの『戦場太郎』のような愛称がSNS上で着けられており、彼の本名より認知度が高いと思われる。
漫画版ではゾンビアクションゲームをしていた部分が、ゾンビに噛まれて数日間寝込んでいたことに変更をされている。