「水の都の夢見る勇者」とは、「ソード・ワールド2.5」(SW2.5)の公式リプレイ作品の1つ。
著者:河端ジュン一氏 / 挿絵など:藻氏
概要(ネタバレ注意)
TRPG・SW2.5の世界の大陸、アルフレイム。
その大陸にある、水路が特徴的な街・ハーヴェスに集まった4人の冒険者が、町内や奈落の魔域、芸術の都などを奔走。時には街の平穏を脅かす蛮族などを撃退するため、またある時には街の歌姫をストーカーから守るため、さらには数奇な運命を辿った兄弟や世界の今後のために奮闘していくストーリー。
魔剣に関するトラブルが元で、ゴブリンに過激な八つ当たりをするドレイクの登場など、よくよく考えると剣呑な展開はあるが、基本的には電波要素などが少なく、サクサクと読みやすい作風が特徴。
物語の途中で、PLのリアルの事情で、パーティメンバーが一人退出することになったが、そのキャラがパーティの今後のために託した書が、本来、ある魔法を行使できない特性を抱える少女の支えになったり、後々に重要な選択を強いられたキャラを導くきっかけになったりといった、王道ながら胸が熱くなるような演出も。
妖怪いちたりないの亜種なのか、ある敵対組織との交戦時に、なぜか敵側の出目がよく3になるが、そこはご愛敬。
2019年3月に発刊された第3巻にて、一旦終結となった。
PT「チームくずり」メンバー紹介
- カイルバーン
人間♂ |
ファイター/スカウト/エンハンサー(後にライダー取得) |
チームくずりの良心にして、後期のリーダー。お金の扱いに難があり、それが元で家族ともめたことがあるが、基本的に純朴で、窮地でも仲間や訳ありの者などのためを思って行動できる好漢。
一時は自分以外のパーティメンバーに関する逸話に驚きや焦りを感じていたが、彼も彼で、ある秘密が・・・。
- ニコ(ニクラウス)
ナイトメア♂ |
プリースト(フルシル)/スカウト/セージ |
一時期までパーティのリーダー兼回復役を務めていた二枚目半。
穢れなどに深く囚われずに面倒を見てくれた家族を大事に思っているが、一家がとあるトラブルに見舞われたため、少し(?)お金にがめつくなっている。
しかし、仲間を大事に思う気持ちも強い他、ぽんこつじみた言動が目立ちがちだが、負傷した仲間を愚痴をこぼさず護送する男の見所をキチンと評する、神官らしい一面も。
- ラティ
リカント♀ |
グラップラー/レンジャー/エンハンサー |
ラーテルのリカントで、チーム屈指の火力を誇る物理アタッカー。
快活で温厚な娘で、向上心が強い。ただ、種族柄か、体術の強さを誇りにしていた一家の家柄ゆえか、幼い頃は幼馴染や友人との距離感がつかめず、周囲の者がぎょっとするような接し方をしていたとのこと。
- フィディック
ルーンフォーク♀ |
コンジャラー/セージ/バード |
チームの後方支援やツッコミなどを担当している少女で、時折ニコと漫才コンビのようなやりとりをしている。
普段はクールで感情が読みづらいが、自身の知識をパーティメンバーや困っている人のために活かそうとする意欲の強い娘。
ある特殊イベントと、チームから離れることになったニコから託された本をきっかけに、種族の壁を超え、神聖呪文を疑似的に行使できるようになった。
レプラカーン♂ |
シューター/アルケミスト/プリースト(ハルーラ)/スカウト |
PLのリアルの事情などでチームを離れることになったニコの代わりに加入された、回復担当キャラ。
狙撃の腕前もいいためか、一射必中のモーレスという二つ名があるそうだが、冒険者に成る前に窃盗に手を染めていたために、一射必中の盗人として恐れられていたことも。
もっとも、自分を改心に導いた恩人の気持ちにこたえようとする意志や行動力は本物。