橋梁の方の「渡良瀬橋」
1934年に栃木県足利市の中心部を流れる渡良瀬川に架橋されたトラス橋。渡良瀬川に架かる橋梁としては現存最古のもののひとつとされる(「松木川」と呼ばれる上流部を除いた場合)。
地元では長らく単に「鉄橋」とのみ呼ばれており、「渡良瀬橋」の橋梁名は下記の楽曲発表まで地元民にすら知られていない有様だったという。また強度的には問題ないとはいえ鉄骨部分が錆で赤茶けた上に鳥の巣までできているという程放ったらかし状態となっていた。
しかしながら同楽曲がヒットしたことにより地元でも知名度が大幅に上がった事から橋梁の塗装やライトアップなど再整備が進むようになり、現在では足利市の観光名所のひとつとなっている。
楽曲の方の「渡良瀬橋」
森高千里が1993年に発表した楽曲。作詞は森高千里本人、作曲・編曲は斉藤英夫。
歌詞の内容を一言で言えば「渡良瀬橋から夕日を眺めながら別れた元恋人の事を思い出す」というもの。
同年の新曲として「言葉の響きが美しい川や橋」をテーマに楽曲制作を行った際、地図で見た渡良瀬川の名が気に入ったことから選ばれたという。森高は作詞のため実際に足利市を訪れており、「渡良瀬川の河原は北風が冷たかった」など、実際に現地で感じたイメージや体験を歌詞に織り込んだという。「床屋の角にぽつんとある公衆電話」も実際に足利市内にあり、利用者低減によりNTT東日本が撤去を検討した際に足利市からの要望でそのまま残されることになったという逸話がある。
現在は足利市のご当地ソングとして定着しており、2007年にはメイン画像のように夕日を背にする渡良瀬橋が見える位置に本楽曲の歌碑が設置され、2015年には渡良瀬橋を挟んで渡良瀬川両岸に所在する足利駅・足利市駅の駅メロに採用されている。