漫画本

　わたるはなぜ自分が現世にいるのか分かってなかった。人間に声をかけても殆ど誰も聞いてくれない。幽霊仲間に辛さを言っても幽霊とはそんなものだと言われるだけ。 　ふとゴミ捨て場にたくさんの漫画本があるのを見つける。だが幽霊なので漫画本を読めない。どうしても漫画本を読みたい。明日にはごみ回収が来るので期限は1日だ。幽霊仲間を伝い必死で漫画を読む方法を探した結果仙人に仙術を学ぶことにする。 　 　仙人は短時間で学べる仙術はあまりないというが、漫画本に対するものすごい熱意で風を操る仙術を授けることになる。必死で学び実践し3時間で漫画本を読めそうなところまで到達する。 　急いで漫画本が捨ててあるところまで戻り、必死に霊力で風の仙術を使いながら漫画本を読んでいく。ある漫画本の一巻を読んだら懐かしさがこみあげてすごく面白さも感じた。そしたら体が消えていく。そうかこれが思い残していたものなのだと満足しながら現世から立ち去った。