概要
2021年7月3日午前10時30分ごろ、静岡県熱海市の伊豆山地区で大規模な土石流が発生し、多数の住宅等を巻き込んだ。被災した範囲は、延長約1km・最大幅約120mにわたった。この土石流の様子は映像として記録され、山津波の恐ろしさをまざまざと見せつけた。
被害状況
2023年2月10日現在の被害状況は以下のとおりである(総務省消防庁)。
人的被害
- 死者28人(災害関連死1人を含む)
- 負傷者4人(重傷1人・軽傷3人)
住宅被害
- 全壊53棟
- 半壊11棟
- 一部破損34棟
土石流の原因
7月1日から3日にかけて東海地方・関東地方南部を中心に大雨となっていたことや、災害の発生現場が山間部であり土砂災害等のリスクが高い地域であることなどから、当初はいわゆる「自然災害」だと思われていた。
しかしその後の調査で、土石流の土砂の大半は人為的に作られた「盛り土」であったことが判明し、業者がずさんな工事をして「違法な盛り土」を造成していた可能性があることがわかってきた。つまり、この土石流災害は「天災」というより「人災」と呼ぶべきものであったのである。