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概要編集

もがりの首の第4話『足跡』に登場する人物。中年の武士で、ある日風の強い峠を歩いていたところ、瀕死状態のもがりを見つけ、漁師小屋に連れていって介抱する。そうして、もがりに自身の妻の弥栄が菊川一之丞という名の、かつて自分が目をかけていた部下にさらわれてしまい、弥栄と菊川の行方を追っているともがりに明かす。そうして、もがりとともに妻を探す道中、宿でもがりとともに食事を済ませ、一風呂浴びようとしたところ、弥栄と菊川を発見し、怒りに駆られた田島は菊川に斬りかかる。

正体編集

※※ネタバレ注意!※※

























実は、田島が言っていた「妻」の弥栄は、菊川の妻であった。元々は田島は独身で、独り身を気遣った菊川が田島を「日頃のお礼に」と自身の邸宅に泊めたことがきっかけで、田島は弥栄に横恋慕してしまう。これがもとで、菊川夫妻は国元にいられなくなってしまったのだった。菊川の「もう私たちに関わらないでほしい」という言葉に激昂した田島は、菊川を斬殺。弥栄はそのそばで喉を突いて自殺してしまった。

この事件ののち、田島は逮捕され、代官所に連行される。取り調べの過程で、田島がある大藩の親戚であることが判明すると、代官は「他に下手人らしい人がいれば、あなたは帰藩してもとの生活を送れます」と田島に呼びかける。

そこで、田島は、かつて(虚言ではありながらも)自身の話に同情してくれたもがりを「下手人である」とでっち上げた。

かくして、まんまと逃げおおせた田島が茶店で休息していると、そこを一人の女性が通りかかる。田島が下心丸出しで声をかけたところ、その女性の正体はもがりだった。

「全てを知っている奴を生かしてはおけない」と思い立った田島は、もがりを始末しようと後を追う。すると、砂丘にもがりの足跡があり、さらに進むと菊川の血染めの羽織や、弥恵栄の簪を見つけた。そうして、ついにもがりを見つけた田島は、もがりの背中を一突きする。しかし、安堵したのもつかの間、自身の刀が腹部を貫通していたことに気がつく。

「ワシは…自分の背中を突いたのか…?」

そうして、絶望の表情で、田島は地に倒れ伏した。もがりは、田島の最期を見て呟くのであった。

「誰でも、自分の背中は見えないものですなあ…」

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