政治・信仰 文化・産業。この国で竜の影響下にないものは存在しない。
概要
「竜送りのイサギ」世界における神の総称。風と天候を司り、四季を生み出す災厄と豊穣の神獣。
神といってもある程度生物として認識されているようで「寿命」「生態」などという言葉が作中でも用いられている。
人々からは絶大な信仰心を向けられており、竜の「尊顔」を見ることが無いよう遠眼鏡の所持が禁止されていたり、尊称で呼ばれているなどする。現れれば手を合わせ祈る者も多い。
複数匹いることが分かっており姿を見ることそのものは珍しくない。が、街中や都には比較的現れにくい。
例外となるのはイサギの生まれ故郷にして重罪人の流刑地・陵獄島。この島には竜は絶対に近付かないと言われており、それ故流刑地となったのかとイサギは考えた。しかし神聖な竜は血腥い存在に近付きたくないのではという推測もされており前後関係や竜が近付かない理由は未だ不明。
個体
- 坤碧丹扇大神(こんのへきたんせんのおおかみ)
通称"坤皇"(こんこう)。イサギが初めて見た竜。東の海を飛ぶと夏の訪れと言われる。
青緑色の体躯と赤の羽、金色の目が特徴的。水掻きのようなもののついた四本の足を持ち、朱と金の雲を纏う。
- 艮真朱剣尊(ごんのまそほのつるぎのみこと)
通称"艮皇"(ごんこう)。タツナミが殺した竜。名前の意味は「北東の赤き剣の神」。
タツナミは殺した竜の尾から古代剣のようなものを取り出し十文字マヒナに託した。彼女はそれを職人達と共に刀として打ち直し、その試斬を八雲蒼緋に任せようとしたが、八雲はその"竜の刀"を職人達の命とともに奪って逃走する。
- 巽双鏡尊(そんのふたつかがみのみこと)
通称“巽皇(そんこう)”。回遊型で一対の双子竜。一年の内最も陸地に近づくのは五月の末で、その時に心窩州の尊悌山を通る。その時期には来迎祭が催される。
羽はその名の通り鏡の様になっていて、周囲の景色を映し出している。
竜殺しの理由
タツナミが大罪と知りながら竜を殺したのは、竜が百年以内に全て墜ちるから。
竜の寿命は極めて長いが地上に降り立つという生態がなく、生涯を空の上で過ごす。よって寿命を迎えれば墜落するしかないのだが、それが実際に起こった三百年前には落下の衝撃とそれに伴う大災害で、当時の人口の四分の一が犠牲になった。
タツナミはその事態を恐れて墜ちる前に竜を殺しておこうとしたのだ。
だが問題なのは、
「竜が百年以内に全て死ぬということを主張していたのはタツナミだけ」
「そのことに何の証拠も無い」
ということである。
イサギもそこにツッコむが、それならば何故むざむざ死罪を受け入れたのかという疑問が生じてくる…。
余談
公式Xアカウントに投稿された坤皇登場シーンのネームがなんだか絶妙であり、話題を呼んだ。
以降星野先生のイラストにも度々描かれるようになりファン達の癒しとなっている。
他のネーム坤皇もある。
愛称は「コンチャン」。