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概要編集

法的には加入が義務化されており、未加入で公道を走行すると罪に問われる事もある強制保険(自賠責保険)と加入が法的義務ではない任意保険に分かれている。


自賠責保険編集

強制保険は俗に自賠責と呼ばれる「自動車損害賠償責任保険」のことで、農耕用小型特殊自動車以外の自動車と原付が走行中に他人を死傷させた場合に損害を補償する保険である。

任意保険で言う対人賠償保険に該当し、対物補償は一切ない。また補償額は無制限ではない。

車検の時に保険料を支払う他、仮ナンバーを借りる時にも保険料を支払う。加入しないと罪に問われる。


ちなみに日本政府の一般会計は、1980年代と1990年代に歳入欠陥(キャッシュフロー赤字)に陥った際、自賠責保険の保険料の一部を借りて補填していたことがある。このうち後者は6000億円が借りパク状態にあったことが2022年に発覚している。


任意保険編集

自賠責では補償しきれない対人賠償や、補償対象ではない対物補償、運転者自らのケガへの補償である搭乗者傷害保険などを担うのが任意保険である。法律上は加入しなくても良い保険だが、自動車を運転する以上他人を死傷させるリスクはゼロにはできないのだから、少なくとも対人無制限の任意保険には必ず加入すべきである。自動車共済も同様。


保険料はある一定の条件で変動し、高くなる条件としては

  • 運転者が20代前半
  • 60代以降の高齢者
  • 車体寸法が大きい車両
  • 高級車或いは盗まれやすい車
  • 事故率が高い車種
  • 危険物積載車両
  • 改造車

などがある。逆に安くなる条件としては

  • ゴールド免許所持者
  • 使用目的が週末のレジャー中心
  • 先進の安全装備を搭載した車種
  • エコカーや電気自動車・ハイブリッドカー
  • 軽自動車
  • 身障者用車両
  • 新車
  • 公用車や商用車(緑ナンバー)

エコカーやハイブリッドカー電気自動車、身障者用車両の保険料が安くなることがあるのは保険会社のCSRを兼ねているとされる。


ノンフリート契約とフリート契約編集

個人だとあまり意識することはないかもしれないが、契約台数が10台未満ならばノンフリート契約、10台以上であればフリート契約となる。


ノンフリート契約は保険を使う事が1度でもあれば1回としてカウントし、次契約期間の保険料に影響するのに対し、フリート契約は保険金の支払額に応じて次契約期間の保険料の決定に影響する。


俗に言う等級はノンフリート契約で保険料率を決定する基準で、まっさらな新規契約だと普通は6等級からスタートする。無事故のまま契約期間を満了すると等級が上がり保険料が少し安くなる。最短でも14年無事故・無違反を継続することで最高の20等級になることができ、保険料が最も割安になる。

一方事故を起こすと1回あたり3等級下がり、保険料が割増になる。保険会社によっては等級が低い人間の新規加入を拒否すると明言しているところもある。


一方フリート契約ではある一定期間の保険金と保険料の割合を審査し、次契約期間の保険料に直接反映させる形を採っている。保険料は割安だが、莫大な金額が保険金として支払われると次契約期間の保険料が跳ね上がる。

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