概要
被保険者が保険期間中に死亡、あるいは一定の年齢に達するまで生存したことを条件に、一定の金額を支払う保険のこと。
日本では「死亡保険」「生存保険」とその混合型である「混合保険」に分類される。
保険対象は人間以外にペットのものもあり、遺族の生活のためだけでなく、慰労金としての意義もある。
保険対象者の生死に応じて予め定められた額が支払われるという点や、10年以上の長期契約となることが多いという点で、1年契約で損害に応じて支払いがある損害保険とは性質を異にする。
保険料は「生命表」「予定利率」をもとに算定される。健康状態に問題があったり、年齢が進んだ人は保険料が高く設定されてしまうか、そもそも契約できない場合がある。
また高齢者は年齢制限が課されており、それに達すると少額の満期金が支払われるのと引き換えに契約が終了するのが一般的である。例外として満期金が死亡時と同額支払われる「養老保険」、年齢制限が無く死亡まで面倒を見てもらえる「終身保険」なども各保険会社に用意されているが、そのぶん保険料は割高となる。
投資信託と生命保険がセットになっている(死亡までは積立金で資産運用し、死亡したら遺族に降りる)金融商品もあるが、普通の投資信託で資産運用するよりも手数料が高い点には注意が必要である。
見方を変えれば「人が死ねばお金がもらえる」という、極めて危険な性質を持った保険でもある。生命保険の受取人を犯人に設定した上で殺人を犯す「保険金殺人」はフィクションでも現実でもよく見られる。
同様に事業失敗などで負債が膨らみ首が回らなくなった人が保険金目当てで自殺をするというのもあるが、こうした行為を防ぐために自殺では保険が降りなかったり、統計上有意に自殺率が高い属性の人(精神科通院中・通院終了後日の浅い人など)は最初から生命保険に入れなかったりという制約がある。
特に低金利な住宅用ローンを組みたい場合は「団体信用生命保険」に入る必要があるが、過去数年以内に精神科通院歴があったり、軽度でも発達障害(ADHD/ASDなど)の診断を受けている場合は入れない。その場合は高い金利で住宅ローンを組まねばならないか、そもそもローンを組めないという事態に陥ってしまうので注意が必要である。