概要
船舶は水面という平面上を前後左右に動く乗り物である。
そのため基本的には自動車などと同じく、前進後進の制御、左右への旋回の制御、この2点を操作して望む地点を目指す。
舵はそのうち車のハンドルと同じ左右への旋回を制御するためのものである。
必ずではないがトップイラストのような舵輪で操るものが多いため、車のハンドルと同じように考えるとわかりやすい。
なお自動車はハンドルを回して車輪を左右に傾かせることで曲がることができるが、水に浮く船の場合は、殆どの舵は船尾に取り付けられた板状の物体であり、これを左右に傾けることで船の向きを変えている。当然ながら車と同じく止まっている状態で舵だけ動かしても向きは変わらない。
一般用語として舵を操作している=船の針路を制御している事を「舵をとる」と表現する。すなわち車の「ハンドルを握っている」とほぼ同義なのだが、船の場合よほど小型のボートなどで無い限り、車のアクセルにあたる速力とハンドルにあたる舵とりを別々の人間が担当し、さらに操縦の指示を出す船長がいる場合が多いのでこのように扱われる。この場合、「運転している」のは指示を出している船長や航海長となる。
船舶用語では「操舵(そうだ)」、そのポジションは「操舵手(そうだしゅ)」、または「舵手(だしゅ)」と呼ばれる。
実際に舵を動かして針路を変更する際は「舵をきる」と言い、車のハンドルをきるのと同じである。
船舶用語では
右方向に針路を変えることを「面舵(おもかじ)」
左方向に針路を変えることを「取舵(とりかじ)」
と表す。船に乗り込みたいと思っている方だけでなく、艦船関係の話を書こうと思っている方は留意しておこう。
余談だが、日本では面舵、取舵の号令を
おもーかーじ
とーりかーじ
と伸ばす部分を変えて発声する。
海は荒れる事があるため、極限環境でも船長の号令を聞き間違えないようにこうなっているとされる。
その他の用法
転じてその場の状態をうまくまとめることを「舵をとる」と言う。
さらに物事の方向性を変える際は「○○に舵をきる」等と表現することがある。