あらすじ
「任務完了だ」-蒼穹園上空、高度二千メートル。空に突如現れた不純物-空獣(エア)。その不純物を駆逐し、飛空するひとつの騎影。長い漆黒の髪を踊らせ、空を舞う鎧を身にまとい、空獣の血で空を彩る騎士・鷹崎駆真。いかなるときも狼狽しない、鉄仮面と称される彼女。ある日、彼女に空獣警戒の緊急任務が言い渡された。蒼穹園の空を護る彼女の返答はもちろん…即座に拒否!? その日、駆真には任務よりも大事なことがあって…。
主な登場人物
鷹崎家
- 鷹崎駆真
本作の主人公。蒼穹園騎士団に所属する女性騎士で、階級は少尉。長く伸ばした漆黒の髪に血色の瞳を持つ。騎士団内でも指折りの実力者であり、17歳という若さで小隊の隊長を務めている。空獣を倒す英雄として蒼穹園国内での人気は高く、雑誌や新聞で特集が組まれた事もあるほど。
感情の起伏が非常に少なく普段は常に無表情で落ち着き払っているが、最愛の姪・在紗のこととなると途端になりふり構わなくなる。その溺愛っぷりは異常なほどで、あらゆる物事において在紗が最優先であり、「在紗のためなら世界も滅べ」と発言したり、在紗との旅行に行けなくなるという理由で騎士団を辞めてしまったりするほど。
なお、全8冊まで刊行された本シリーズ中、内5冊の表紙を彼女が飾っており、その際に様々な姿をしているのだが、あれはパラレルでも外伝でもなくまぎれもなく本編。しかも辻褄が合っているというのが作者の恐ろしいところである。
- 鷹崎在紗
駆真の姪で、小学6年生。容姿は駆真と同じ血色の瞳を除いて、漂白剤に漬けて育てたらこうなるのではないかと形容されるほど髪も肌も白い。
駆真の兄が死亡、母親は行方不明となり、現在は騎士団本部にほど近い家で駆真と一緒に暮らしており、叔母である駆真の事を「ねえさま」と呼んで慕っている。
蒼穹園騎士団
- 三谷原雄一
眠たげな半眼と無精ひげをした鷹崎隊の副隊長であり、射撃の名手。在紗の両親のことを知っている一人でもある。階級は曹長。
空獣狩りをしていた頃からの腐れ縁で駆真のプライベートの話である妹のこと等々、相談に乗っている。
- 松永衛二
駆真に片思いし、匂いだけでカルマを探せるという若干ストーカじみた新人騎士。
熱血漢なのだが戦闘能力から思いまで悉く空回りする。
- 鳶一槙奈
騎士団の一員で、駆真と同じく独自の隊を持つ。努力家である。
カルマをライバル視し、大会では「審判買収」「カルマの武装のダッシュ用のガスを抜く」など、卑劣な行為もする。
槙奈は自分の実力をカルマに見せ付けたいが、実はカルマによる槙奈の評価は、
『全てが空戦の基礎に裏打ちされたものだ。そのまま騎士学校の教科書に載せられるくらいにな。』
と高い。カルマに褒められてもそれを素直に喜べない槙奈が空回りしているだけである。
元々黒髪だが染めて茶髪にしており、中学時代は根暗で三つ編みで呪いのマニュアルを所持したり、イタい黒歴史小説を自作したりとオタクであったため『排水溝』と呼ばれていた。
当初はライバルだったが、巻ごとにひどい目にあう定番の不幸キャラとなる。
その他
- アステナ・エリーウッド
異世界の国・レーベンシュアイツの若き女性宮廷盟術士。ウェーブのかかった長い金髪と碧眼に、いかにも魔法使いといったデザインのマントとローブを纏っている。魔王ルーン・ロヴァルツによる侵略に対抗するため、駆真を勇者として召喚した。しかし在紗以外の物事に興味がない駆真は、その手の作品では禁じ手である『魔王の力で元の世界に戻してもらう』という行為に出てしまった為、再度討伐に来てもらうよう、野宿しながら度々彼女に交渉する。
- ウタ
かつて存在した、皇華栄禅と呼ばれる国で創り出された魔人。駆真によって、遺跡内の棺桶のようなものの中にいたところを発見された。顔立ちは美しい少女のようであるが、体中に無数の縫い傷があり、2つの瞼までもが縫い付けられている。加えて、頭は明るいオレンジと銀色の髪が、房ごとに交互に伸びているという奇抜な姿をしている。口調も片言でところどころ間延びした、特徴的な話し方である。自分を目覚めさせた駆真をマスターと呼び、常々彼女の願いを叶えたがっている。
本人は否定しているが、背中からケーブルのようなものを伸ばしたり、魔法のような力を持たず力技だったり、かってに自身の充電をしたりと、どう見ても正体はメカ。
- 地宮院 天由良・地宮院 霊由良
蒼穹園神話に登場する双子の大地神。異世界・魔人と来て今度は神である。双方とも漆黒に近い深い色の髪を長く伸ばし、それを途中から複雑な結い方でひとつにまとめている。外見は在紗と同年代の少女だが、実際は既に千年以上の時を生きている。常に二人一組で行動し、神出鬼没。
たまたま迷い込んだ駆真が彼女たちの永久の迷宮に挑戦する羽目になるも、何とか突破。それ以降はたびたびこちらの世界に出現するようになり、駆真たちを手助けしたりしているが、それはそうしたほうが面白くなりそうだからという理由で行っている趣が強い。
関連タグ
八舞夕弦:「デート・ア・ライブ」の登場人物、「アンコール5」にて作者繋がりのネタがある。