蒼風一目連
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そうふういちもくれん
ソーシャルゲーム『陰陽師本格幻想RPG』の登場キャラクター「一目連」の別の姿。CV:緑川 光
荒れ果てた神社は常に暗く、日が差し込むことはなかった。
砂利道に作られた人の足跡も、雨風に吹かれて消えていった。
弱った神は、境内の大きな木の下に腰を掛けていた。
とめどなく流れ行く時の力でも、彼の背中を曲げることはできなかった。
ただ、神社の本殿と境内の様子が、彼が忘れさられている存在であることを表していた。
境内に響く鳥の鳴き声だけが、ここにはまだ命が存在すると主張していた。
そんな境内に一人の子供の足音が響き渡り、100年の孤独が打ち破られた。
小さな女の子が砂利道を登ってくる。疲れ果てた様子で、髪は秋の夜雨で濡れていた。
やっと山道を登りきると、彼女は神社の敷居に足を取られて倒れてしまった。
すると、彼女のもとにどこからともなく、弱く優しい風が吹いてきて彼女を助け起こした。この時神は、女の子の目が見えていないことに気がついた。
女の子は喜んで大声で言った。
「神様、そこにいらっしゃるのですか?よかった、この世には本当に神様がいたのですね!」
(伝記一より)
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