概要
左側を借方、右側を貸方と呼ぶ。実際の借りる貸すとは意味が全く異なる点に注意。この名前に深い意味はないと思った方がいい。なぜこのような名前がついてしまったのかは不明。
借方に資産、貸方に負債と資本を書く。借方と貸方のそれぞれの合計額は同じにならなければならない。
資産はその名の通り持っている財産すべてを指す。現金はもちろん固定資産や形のないものも含まれる。
負債と資本は資産の出どころを意味し、負債は後で支払わなければいけないお金、資本は支払いが必要ないお金(出資してもらったお金や利益の積み立て分など)を指す。
なお、日本の企業では資産であれば現金化しやすい順に、負債ならば返済すべき期間の短いものから順に記載することが原則とされている(勘定科目記載例を参照)。
現代では損益計算書の補助手段として「適正な期間損益計算を行う」というのが主な役割とされているが、20世紀初頭頃までは債権者保護の観点から「企業の債務弁済能力を表示すること」が主な役割とされていた(ここでいう債権者とは銀行などのことを指す)。
なお、20世紀を境に役割が変化したのは、20世紀以降に証券市場が発達したことで投資者保護が重視されるようになったからとされている。
勘定科目記載例
資産の部 | 負債の部 | ||||
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科目 | 金額 | 科目 | 金額 | ||
流動資産 | 流動負債 | ||||
現金預金 | 支払手形 | ||||
受取手形 | 買掛金 | ||||
売掛金 | 未払金 | ||||
商品 | 未払費用 | ||||
前払費用 | 未払法人税等 | ||||
貸倒引当金 | △ | 契約負債 | |||
固定資産 | 固定負債 | ||||
有形固定資産 | 長期借入金 | ||||
建物 | 退職給付引当金 | ||||
土地 | 社債 | ||||
車輌運搬具 | 負債合計 | ||||
備品 | 純資産の部 | ||||
無形固定資産 | 株主資本 | ||||
ソフトウェア | 資本金 | ||||
投資その他の資産 | 資本剰余金 | ||||
投資有価証券 | 資本準備金 | ||||
関係会社株式 | 利益剰余金 | ||||
その他有価証券 | 利益準備金 | ||||
長期貸付金 | その他利益剰余金 | ||||
破産更生債権等 | 別途積立金 | ||||
長期前払費用 | 繰越利益剰余金 | ||||
繰延税金資産 | 評価・換算差額等 | ||||
貸倒引当金 | △ | その他有価証券評価差額金 | |||
純資産合計 | |||||
資産合計 | 負債及び純資産合計 |