概要
月刊少年ガンガン及びコミックブレイドMASAMUNEにて連載されていた『里見☆八犬伝』が再起動した事実上のリメイク作品。
無印版『里見☆八犬伝』の世界観・テイストはそのままにキャラクターデザインが一新されており、ストーリーもシリアス・バトルシーンが多く追加され、大幅にボリュームアップしている。
モチーフである滝沢馬琴の南総里見八犬伝とは異なり、本作では、主人公・犬塚信乃は男として育てられた女の子。
無印版である『里見☆八犬伝』と基本設定は同じであるが、コメディー色が強かった前作に比べ、馬琴の原作に沿ったシリアスなエピソードもより多くなっている。
またよしむらの作画としては珍しく濡れ場が多くなっているのが特徴。
ガンガンから多数の作家がマッグガーデンへ移籍したお家騒動に伴い、よしむらも移籍したことで前作は終了。あとがきには「いずれ続きを描きたい」と書いており、「新装 里見☆八犬伝」を連載するも2004年春に終了。後にブログにて「もう描くことはないだろう」との旨を綴っている。
しかし『竹書房』の編集者からの接触により本作が再起動することとなった。
約5年の連載を得て完結。全13巻。よしむらの作品でも一番の長編となった。
ストーリー
室町時代、妖鬼王・玉梓の復活により南総は危機を迎えていた。妖怪軍船虫によって仕えていた城を攻め落とされた犬塚信乃は、父に託された破邪の剣・村雨を携え、仲間を求めて旅立つ。妖怪退治へ。
登場人物
【八犬士】
本作の主人公(ヒロイン)であり、「孝」の犬士。父に武士として育てられた16歳の少女。伏姫の導きにより、破邪の剣「村雨」を携え旅に出る。
「義」の犬士。槍遣い。とぼけた性格だが強力な必殺技を使う。
犬山道節
「忠」の犬士。忍術使い。両親の仇を討つため、単独で妖怪退治をしていた。
【妖怪軍】
節足鬼・船虫
妖鬼王・玉梓に忠誠を誓う妖怪軍中枢を担う女妖怪。冷酷非情だが生真面目な性格故に苦労が多いらしい。男相手には初心。
淫魔鬼・亀篠
村雨を奪うために妖怪軍から送られてきた刺客。
網乾
道節と深い因縁があるようだが…
妖鬼王・玉梓
南総の支配をもくろむ妖怪軍の王。永い眠りから復活し再び人間を恐怖に陥れる。
【その他の登場人物】
道節の妹。親同士が決めた信乃の許婚。信乃を男性として慕っている。
伏姫
遠い昔、南総を玉梓の手から命を懸けて守った神女。