概要
作・石崎洋司、絵・亜沙美による、講談社より出版されている小説。全3巻。
『黒魔女さんが通る!!』のスピンオフ作品である。
『若おかみは小学生!』とのコラボ作品である『恋のギュービッド大作戦!』にて登場した東海寺阿修羅の祖父・東海寺迦楼羅と、麻倉良太郎の祖父・麻倉豪太郎の若かりし頃の冒険を描いた作品。
一部作品のネタバレが含まれるので原作を未読の方はご注意ください。
あらすじ
昭和30年。陰陽師・東海寺迦楼羅とヤクザの麻倉豪太郎がコンビを組み、科学では説明できない超常現象がからむ難事件を陰陽師の技とヤクザの腕で解決していく。
ちょっとレトロで、ときどきビブリオチックなオカルト冒険譚。
登場人物
東海寺迦楼羅(とうかいじ かるら)
全国を放浪しながら修行する陰陽師の青年。12月生まれの18歳。
修行の身であり歳も若いが、すでに霊能力は確かなものであったようだ。
東海寺阿修羅の祖父であり、『黒魔女さんが通る!!』本編では10年前に亡くなっている。
語り手により、美形であることがかなり強調されている。
麻倉豪太郎(あさくら ごうたろう)
ヤクザの青年。10月生まれの18歳。大日本雄弁組を抜けて一本どっこになっていたところを迦楼羅と出会い、一緒に全国を旅することになる。
麻倉良太郎の祖父であり、『黒魔女さんが通る!!』本編では存命である。
この物語における語り手であり、基本的に彼の視点から物語が展開する。
※以下ネタバレ
東海寺妙子(とうかいじ たえこ)
迦楼羅の双子の妹。
約一年半前から迦楼羅の元から姿を消し、行方不明になっている。
東海寺阿修羅の大叔母にあたる。
池田小春(いけだ こはる)
女ペテン師。タヌキ顔が特徴。
年齢は迦楼羅・豪太郎と変わらないようだがその素性は一切の謎。
金にがめついが情には厚い。
既刊一覧
巻 | タイトル |
---|---|
1 | 陰陽師東海寺迦楼羅の事件簿 1 人体発火の譚 |
2 | 陰陽師東海寺迦楼羅の事件簿 2 黄泉がえりの譚 |
3 | 陰陽師東海寺迦楼羅の事件簿 3 幽霊屋敷の譚 |
余談
- 第1巻あとがきにて、作者・石崎洋司は『恋のギュービッド大作戦!』で藤田香の描いた東海寺迦楼羅に一発で心を奪われたと記している。
- 『陰陽師東海寺迦楼羅の事件簿』は、『黒魔女さんが通る!!』本編よりもダークなオカルト&ホラー描写が特徴である。超常現象・呪術・いかさま・民俗学・文学作品…などなど様々な要素が豊富に盛り込まれており、いずれにもわかりやすい説明がなされている。石崎先生の膨大な知識量には感服するばかりである。