CV:内田雄馬
概要
霧科コーポレーション現社長にして霧羽家長男のカズヒサ、専務で次男のユウジに並ぶ、創業者一族の三男坊。先行技術開発部に属する教育開発室・A-TECの解体という命令を受け、笹山前部長の後任としてやって来た新部長にして、A-TECに所属する霧科科学技術学園高等部3年生。
火星へ向かう途中で重役の関係者として身代金目的に拉致されるも、培ってきた交渉スキルと様々なパイプを使って独力で解放され、身代金を携えて救助にやって来たA-TECの判断を「最悪」と一刀両断。赴任および転入早々、クラス全員を1年以内に社からリストラする旨を宣言し、担任教師でありながら部下になった室長の瀬良カイトやA-TECの生徒たちを震え上がらせた。
16歳で入社し、それから2年あまりで部長の椅子を勝ち取る――これだけ聞けば典型的なエリートコースを歩んだ者と思われそうだが、実際は入社以前から霧科の暗部に浸かっており、条件の悪い僻地の衛星に赴任させられる嫌がらせのような待遇を受けていた。にもかかわらず、行く先々で経営陣の要求に満額、あるいは期待以上の回答を出し続けて今の地位を得た、泥にまみれたエリートとでも言うべきだろう。
リストラ断行のために来たにもかかわらず、予算獲得のための稟議書の書き方をカイトに教えたり、コストカットでA-TECの延命を図るために経理のプロである服部花子を呼び寄せるなど、何か思惑があるようだが……。
類まれな資質で僻地から本社勤務にまで這い上がってきたビジネスの手腕は、初期状態のA-TECの面々が束になっても太刀打ちできないものであり、有無を言わせず霧科本社から閉鎖した記念館裏のガレージへ放り出すやり方は当然反感を買い、カイトなどは「クソ部長」と罵る始末。
一方では学園への転校生=スクールカーストの最下層という立場をイジられ、学園祭では一人で看板作りをやらされるなど、扱いは極端(学園祭の目玉であるロケット整備でまったくアテにならないからだが)。教育を受けるべき時期に汚れ仕事をこなしていたことから、A-TECが扱う高度な専門知識を問われる定期試験はもちろん赤点レベルだったが、ミズキの突貫補習で翌日には合格し、飲み込みのよさを感心されている。
※以下ネタバレ
科宮ナギサの替え玉。
かつて科宮チサトを助けた白崎一族の最後の一人。5歳ごろ一族の者に連れられ科宮家に仕える。
6歳になったころ科宮家が持つ霧科コーポレーションの株式譲渡を迫る霧羽家から本物の科宮ナギサを地球へ逃がす際に替え玉となり、強制的に霧羽家に引き取られた。
霧羽ヤスヒサは替え玉であることに気づきながらも本物として引き取り、養子として手元に置く。
しばらくして地球に向かったロケットの墜落事故を聞かされたナギサは忠義を貫く対象をなくす。
学校に碌に通わせもらえず、成長したナギサはユウジの私兵として働くことになる。ユウジからは幼いころに虐待を受けていたらしく、背中には大きな傷痕が残っている。
A-TECに溶け込む前のナギサは、科宮家の復讐をすべく虎視眈々と社長の座を狙っていたのだ。
瀬良ミズキとは相思相愛の仲。恋愛関係である。