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「あなた、誰なの?」

CV:岩男潤子


概要編集

今敏初監督作品「パーフェクトブルー」の主人公。


経歴編集

アイドル卒業編集

「CHAM」(チャム)という人気アイドルグループの一員だったが、女優業への転身を図る事務所の意向で、突如グループ脱退を宣言する。アイドル時代の愛称は「みまりん」。


苦悩の始まり編集

かつてのアイドルからの脱却を目指そうとするも、初出演のドラマはセリフが一言だけの端役に過ぎず、またこの頃から無言電話や「裏切り者」と書かれたFAXが届くようになる。


本心との乖離編集

ドラマは回を重ねるごとに少しずつセリフが増えていったがレイプシーンを演じる事になり、女優になる事自体に反対したマネージャーのルミは猛反対する。

しかし未麻は気丈にも了承、事務所の方針を飲み込み、未麻は自分を納得させるも、電車の窓に映るアイドルの自分は「絶対嫌だ」と叫ぶ。


もう一人の自分編集

そしてレイプシーン撮影が始まり凌辱されるシーンを何度も撮影される。ルミはいたたまれなくなり現場から出てしまう。撮影は無事終了するも部屋に戻ると未麻は本心が爆発し「やりたくないに決まってる。皆に迷惑かけられない」と泣き叫び暴れてしまう。

そこにアイドルの自分が現れ「あれが望んだ仕事?最低」と嘲笑う。


撮影と錯乱編集

新生チャムが着々と人気を伸ばしている頃、未麻はヘアヌード写真集でイメージ脱却を図る。撮影で全てをカメラマンの前に曝け出して仕事に望むが、あまりの恥ずかしさと侮辱感に家のバスタブの中で悔しさを絶叫する。

レイプシーン、ヘアヌード写真集とアイドル時代からは考えられなかったような仕事を迫られた未麻はドラマでの人気とは裏腹に、今の仕事は自分の望んだことなのか苦悩し、精神的に追い詰められる。そしてアイドル時代の自分の幻影に怒り怯えるようになる。


相次ぐ事件編集

そんな中インターネット上に現れたなりすましによる「未麻の部屋」というHPが完全に自分の行動を把握していることからストーカーの監視に苦しむ。また出演ドラマ『ダブルマインド』の脚本家を皮切りに関係者が相次ぎ殺害される事件が発生し、心理的に錯乱する。


『ダブルバインド』に出演したことで、彼女は自分が同ドラマの患者(主人公)で、自分は霧越未麻だと思い込んでいるだけではないか?と思うようにもなる。


余談編集

レーディングがR-15である為、性的暴力的な描写が多い本作だが、特に前半40分ころのレイプシーン(ドラマ撮影)は極めてリアルで、18禁レベルの衝撃度となっている。これに関し今はインタビューにて「執拗にすると暴力描写自体が目的になりかねず、あれ以下に抑えると、それらのシーンが表現すべき『感情』が弱まる気がした」と暴力表現の調節の難しさを述べる一方、「やり過ぎた」とも語っている。


演じている岩男潤子もアイドルグループ「セイントフォー」メンバーで、そこから声優に転向した経緯を持つ。その解散決定を機に際どいグラビアの仕事を強制されそうになったという経験まであるのだが、今敏は作品完成の頃までその事を知らず、まったくの偶然だったとこのこと。


岩男がパーソナリティを務めた「スーパーアニメガヒットTOP10」で劇中劇「ダブルバインド」が放送されたが、その中では本作が逆に劇中劇となっており、本作で未麻が演じた主人公が逆に「自分が未麻だと思い込んでいる」、という展開になっている。

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