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概要編集

顔彩とは、顔料を原料に膠(にかわ)・アラビアゴム・水あめ・砂糖などの固着剤(接着剤になる成分)を練り合わせて固形にした絵具で、とくに四角い容器に入っているものを呼ぶ。一般的に日本画に使用される画材。


日本画では主に岩絵具水干絵具という特殊な絵具を使用し、膠液を混ぜたりと色を作るまでに手間がかかるが、顔彩であれば水と筆1本あればすぐに絵を描くことができ、簡単に日本画を楽しむことができる。

水を含ませた画筆で顔彩の表面をなぞるだけで、固形状の絵具が溶けるため、彩色が簡単にできる。水で薄めることで淡い色から濃い色まで幅広い表現が可能。

水彩画に使われる絵具ともよく似ているが、顔彩には日本古来の色彩が使われているため、鮮やかな発色の中にもどこか落ち着きのある風情を感じさせる。

手始めに使いやすくおすすめなのは、12色や24色などパレットに入ったセット品。


種類編集

「顔彩セット」

色ごとに小さな四角い白の容器に入れられ、色数がいくつかセットされている。

色数やメーカーによって6色・12色・14色・18色・24色・35色などとバリエーションが豊富。基本色が揃っているため、初めて購入する場合におすすめ。


「鉄鉢」

鉄鉢タイプは、陶器製の丸皿に顔彩が1色ずつ入っているため、大容量使いたい時に便利。

経済的なことはもちろん、陶器製の丸皿に充填してあるため容器の安定性が高く、絵皿を並べて描く日本画独特の描き方に近いものとなる。

また丸皿は良品を選定してあるため、使用後は絵皿として再利用することができる。


使い方編集

①まず水を筆を用意し、何も色を付けていない筆に水をたっぷり含ませる。

※固め筆を使用する場合は、あらかじめ水に浸しながら指で少しずつ解して捌いてから使うようにする。


②たっぷり水を含ませた筆で顔彩の表面をなぞる。

なぞると水分と混ざり合い顔彩の表面が溶け、ゆっくりと色が溶けだした液体となる。

※ここで同じ筆を使って他の色の表面をなぞってしまうと、乾いた時に顔彩の表面に別の色が残り、次に顔彩を使うときに色が混ざる原因となるので、顔彩の色を使うときは一つの色に対して1本の筆でなぞるようにする。


③色のついた絵具を筆に含ませてとき皿や梅皿に移す。

とき皿や梅皿に色を入れ、ここで好きな濃度になるまで水分を足しながら調整する。

※違う色を足すときも、とき皿や梅皿に入れた状態のものを混ぜ合わせるようにする。


④好きな濃度の調整ができたら、描き損じた紙などに試しに描いてみて、一度色味を確認する。


⑤思い通りの色が用意できたら、実際の紙に描いていく。


⑥描き終えたら、筆やとき皿を洗い、顔彩は十分に乾かした後、片付けて終わり。

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