CV:藤田淑子
概要
デルトラ王国の北東部を根城にしている邪悪な魔女。
本編開始の100年以上前に出現したとされている。
人物
若々しく美しい銀髪を持つ美女だが、この容姿は魔力によって保っているもので、実年齢は老女である。好物はカラス。
傲慢かつ残酷な性格で、美しいものを激しく嫌っている。そのため、美しい黄金色の街だった「ドール」を「嘆きの湖」に変え、そこの住民たちを醜悪な動物の姿にしている。また、その悪行に抗議したララド族から声を取り上げている。
怪物の外見を持つ13人の子供がおり(夫は不明)、彼らにも魔力を伝授している。なお、アニメ版では子供たちから深く慕われており、原作でも「わたしの可愛い子ども」と発言しているため、母子の仲は良好な模様。
過去
デル城の図書室員であるジョセフが王国中の怪物について記した(という設定の)『モンスター・ブック』によると、元は厳しくも善良かつ聡明な魔女・タムの娘として生まれ、母以上の魔力を有していたとされるが、邪悪な心は生来のものであったらしく、それを憂いた母による厳しい教育に反発し、行方をくらませたとされている。その後は影の大王と手を組んだことでそれまでとは比べものにならないほどの邪悪な魔力を得て、デルトラ王国の北東部を13人の子供たちと支配するようになったとされている。
カラスを好物としているのも、母がカラスに変身する魔法を得意としていたことへの反発心と憎悪の表れと推察されている。
能力
強大な魔力を有しており、全身を魔力で武装しているため、並大抵の存在では近づくことすらできない。一方で、血を一滴でも流してしまうと死んでしまうという弱点を抱えている(アニメ版では、左手の小指から魔法を発する瞬間は魔力の武装が解除されてしまうため、そこが急所となっている)。
劇中の活躍
原作
「嘆きの湖」にあるルビーを取り戻すべく旅をするリーフたちによって奴隷の鳥を解放されたうえに子どもであるジニとジッドを殺され、湖の怪物であるゾルディーンを懐柔されたことに激怒する。その後は彼らを襲撃して追い詰めるが、最後は一瞬の隙を突いたクリーによって流血してしまい死亡した。
アニメ版
「嘆きの湖」で倒された後は影の大王によって指輪から蘇生され、子供であるホット、トット、フィー、フライにリーフたちを誘き出させて襲撃するが、ラピスラズリの力によって倒されてしまう。その後は再び影の大王によって蘇生されるが最後通告を受けてしまい、生き残りの子供たちと共にリーフたちを襲うが魔力を完全に吸い取られて老婆の姿になってしまう。その姿に絶望し、自暴自棄になって自滅しようとするが、それに子供たちも付いてきたことで善の心を取り戻して消滅した。
消滅後は人魂の姿として、自分に化けたオルからリーフたちを守り、悪態を吐きつつも「せいぜい気をつけな」と言い残して去って行った。
子供たち
前述の通り13人おり、いずれも怪物の姿をしている(原作準拠の『モンスター・ブック』では恐ろしいかつグロテスクな姿をしているが、アニメ版ではデフォルメされている)。単純な力関係ではイカボッドが一番強い。
原作では母の死後にリーフたちを捕らえて焼肉にしようとするがリーフの機転で仲間割れを起こし、イカボッド以外の兄弟は彼にボコボコにされたことで出番は終了する。アニメ版では母とともに登場シーンが増えているが、最終的に全滅した。
- ホット・トット
黄色の体色を持つ双子。兄弟の中では一番小さい。アニメ版では堪え性がなく、母にリーフたちを生け取りにするよう命じられたのにもかかわらず、彼らを食べようとしていた。
- ジニ・ジッド
ずんぐりした体格の双子。ジニは黄色い牙が生えており、ジッドは蛇のような舌を持つ。
底なし沼の中央にある廃墟を拠点とし、心優しい老夫婦に化けている。旅人が底なし沼に落ちると親切心を装って助け、眠らせた後に食べてしまう。リーフたちを捕らえるも正体を見破られてしまい、最後は底なし沼に落ちて溺死した。
- フィー・フライ
緑の体色を持つ双子。アニメ版ではリーフたちを誘き出すためにフランソワーズという美少女に化けた。
- ザン
六本足を持つ巨大な怪物。
- ゾッド
身体中にコブが盛り上がっている怪物。
- ピク・スニック
毛むくじゃらの獣のような双子。
- ラン・ロッド
茶色の体色を持つ双子。
- イカボッド
赤い体色を持つ怪物。兄弟の中では一番体格がよく力も強い。母の死後に兄弟たちとリーフたちを生け捕りにするも、仲間割れを起こした末に逃げられてしまう。終盤で再び登場し、デインを攫うふりをした。その後はデル城に乗り込んできたリーフたちに敗北する。
乱暴な性格のため他の兄弟たちからは嫌われているが、アニメ版では喧嘩するランとロッドを仲裁するシーンもある。
余談
彼女および子供たちを紹介する歌は妙に中毒性があり、気になる人は是非アニメ版を観てほしい。