概要
94式除染装置とは自衛隊で連隊以上の規模の部隊及び化学科部隊に配備されている車両である。73式中型トラックをベースに荷台が除染材を入れるためのタンクと除染を容易にするためにタンク内の液体を加熱する加温装置部を搭載したものである。
同じく化学科装備で大型トラックをベースにした除染車3型(B)と違い、汚染された装備品、人員の除染を目的とした車両である。
また、車両自体に防護性能は無いため汚染地域で使用する際はドライバーも防護マスクや防護衣を着用する。
特徴
中型トラックをベースにしており、大型トラックベースの除染車3型(B)に比べ狭い道でも使用可能である。また、連隊以上の規模になると必ず配備されているため化学科部隊が存在しない駐屯地でも見かけることが出来る。
2種類の長さのスプレーガンを搭載しており、シャワーヘッドを交換することで冷水、熱水、泡状での散布が可能である。また、シャワー用の天幕も搭載しているため汚染された人員に来ている装備を他人に見られることなく脱がせ、シャワーとシャンプーを用いて人員の除染を行うことが可能である。
化学科以外の部隊にも配備されているが、ほとんど使用されることはない。
除染車3型(B)との比較
名称 | 除染装置 | 除染車 |
---|---|---|
略称 | DS(でぃーえす) | DCN(でかん) |
ベース車両 | 中型トラック | 大型トラック |
除染対象 | 人員、装備品 | 車両、地域 |
散布道具 | 用途に合わせたスプレーガンを接続 | 固定のスプレーガンを使用 |
散布方法 | 車両を停止させ散布 | 車両後方に人員が乗車することで走行しながら散布 |
その他の散布方法 | シャワー用天幕の開設 | 車両前方及び側面に搭載された器材を運転席で操作 |
車両自体の防護性能 | 無し | 無し |