概要
サムホールのあるフォアグリップが特徴的なショートカービン仕様(?)のAKMSの一態。
ソビエト連邦軍では、AKMをベースに銃床を折りたたみ式にしたAKMSが必要に応じて支給されていた。
だが、当時ソビエト連邦軍にはサブマシンガンが大々的に配備されておらず、AKMSでもなお収納や取り回しに不都合を感じる事が度々あった。そこで、AKMSの銃身を切り詰めてカービン銃としたAKMSUが開発され、特殊部隊、戦車兵、パイロットなどに少数が支給された。
しかしながら、当時の様子を記録した写真や現存数があまり多く無い事から、配備数はごく限定的であったと考えられている。後継と目されているAKS-74Uの採用と同時に段階的にAKMSUの使用は廃止されたとされる。
冷戦後にはアメリカでAKS-74Uに似たスタイルのAKMSUも製作され、主に民間を中心に流通した。
・・・と、言うのは日本に伝わっている噂である。
実際の所、この銃は存在はしているものの、起源が特定されてない素性不明の謎の銃器であり、その起源は全世界のガンマニアから議論の対象になっている。
存在しているものの大半がAKMもしくはそのクローンやコピー品を民間が非公式に改造したものであり、その出生は2020年現在も謎に包まれている。
イギリスのNational Firearms Centreが所蔵しているAKMSUが一番オリジナルに近いと判断されているが、これはパキスタンとアフガニスタンの合間にあるカイバル峠で56式をベースにAKS-74Uのパーツを組み込んで作られたお手製のカスタムガンであるという説が最も濃い。
いずれにせよソ連及びロシアは公式には開発を否定しており、この銃が正式なAKシリーズとは認められておらず、純ロシア製のAKMSUというのは存在しないというのが現状である。
というよりそもそも、「AKMSU」という名称自体がロシア国内で付けられたものではなく、上記のNational Firearms Centreで展示された際に付けられたの通称である。
現在はエアソフトガン等の流通によって一定の知名度を得ている。また、既存パーツの流用も効くため、比較的低コストでのバリエーション展開が可能という事情から、各社がこぞって販売し知名度もさらに向上するという好循環(?)が発生している。