概要
第二次世界大戦後にソ連によって共産主義政権が樹立されたハンガリーは政治的にも軍事的にも東側陣営に組み込まれ、軍の兵器もソ連の兵器体系に合わせる形で整備がすすめられた。
その一環としてソ連はハンガリーに対してAK-47の製造ライセンスを与え、AK-55として国産化された。
その後改良型のAKMをAKM-63としてライセンス生産する際にハンガリーはただ単にコピーするだけでなく、ガスシリンダーを覆う上部ハンドガードを廃止したうえで下部ハンドガード部分をプレス加工鋼板で制作し、フルオート連射時の制御性を確保するためにハンドガード下部に垂直前部グリップを取り付ける改良を行った。また、銃口部分にはAKMに特徴的な竹槍状のマズルブレーキも装着されていない。
AKM-63はハンガリー軍に配備されたが、垂直前部グリップは標準型のAKMに比べて製造コストがかさむ上に伏射時に破損しやすく、弾倉交換時に干渉しやすいなどの欠点が判明した。このため、前部ハンドガードを標準型のAKMと同一形状に再設計し竹槍型マズルブレーキを装着したAK-63が1977年から生産され、AKM-63を更新した。
AK-63は現在でもハンガリー軍で使用されているほか、多くの国に輸出されている。