概要
その原点はNetscapeが誕生したときからあり、Netscapeのコードネームとして古くから使われていた。「Netscapeと書いてMozillaと読む」という文句が説明文に書いてあったことすらある。本当は製品名もMozillaにしたかったらしいが、これは断念されている。
名称の由来は当時人気のあったNCSA Mosaicを蹴落とす怪獣、ということでMosaicとゴジラから取られている(そのためMozillaプロジェクトのシンボルマークには長らく怪獣が描かれていたり、Mozilla Application Suiteのアイコンやアニメーションもこの怪獣になっていた)。
その後、Netscapeのオープンソース化に伴いコードネームをプロジェクト名へと流用。そのプロジェクトで生まれたインターネットスイートにも「Mozilla」と名付けられることになった。
現在はウェブブラウザMozilla FirefoxやMozilla Application Suiteを開発するMozilla Foundationを指すことが多い。
ライセンス
MozillaのライセンスはMozilla Public Licenseという独自のライセンスとなっている。GNU GPLと修正BSDライセンスの中間くらい、GPLほど厳しくないがBSDほど緩くもないレベルの制限が設けられていて、基本的な内容は以下の通り。
- 誰でも自由に使用・改変・再配布してよい。
- ただし、オリジナルの作者の著作権は消滅しないので、オリジナルの作者の著作権表記は残さなければならない。改造版はそれとわかるようにすること。
- 改造版もMPLを継承しなければならないが、MPLでないものと組み合わせた場合、そのコードまでMPLとする必要はない。
- 要はMPLでは元々MPLの部分だけソースを公開し、それ以外は商用ライセンスで非公開、というスタイルが可能。
- 商用利用も認めるが、MPLの部分は何らかの方法でソースを入手する手段を用意しなければならない。
- 無保証。作者は、その製品を使用したことで起きた事象に対する責任を負わない。
誕生当初はNetscape Public Licenseというライセンスになっており、Netscapeに強い権限を認め、Netscapeの一存でソース非公開としてもよいという内容になっていた。これはNetscape6のために設けられた内容だったのだが、開発コミュニティから不評を買ったため、MPL1.0が新しく制定され既存のソースコードもMPLでライセンスし直されている。それでもなおGPLと両立できない制限があったので、現行のMPL2.0でその辺の問題が修正されている。
隠し機能
Mozillaに関係するブラウザ(Netscape、Mozilla、Firefox、SeaMonkeyなど)のURLに「about:mozilla」と入力すると、赤い背景に謎の文章が表示されるという隠し機能がある。これは「モジラの書」と呼ばれている。
実は表示される文章の中身はMozillaの歴史を聖書風に記したもの。そのため、HTMLのソースコードを見るとどういう意味合いがあるのかの解説がある。
また、書かれている内容はバージョンによって違う。