Harley-Davidson WLAは、アメリカのハーレー・ダビッドソンが1942年からアメリカ軍向けに製造していたバイク。
概要
740cc サイドバルブエンジンの『WL』をベースに米軍向けに改装したもので、主に偵察や連絡用に使用された。
米軍標準のODに塗られ、無線機やガンキャリアが装着可能だった。
機構
サスペンションはフロントがボトムリンク式、リアはサスペンションがないリジッドである。
ライトには通常の前照灯に加えて米軍標準の灯火管制用のもの(Blackout light)が備わる。
灯火管制モードでは、光量や照射方向が制限される。一方で灯火の見え方で他車とのおおまかな距離を測ることができるため、灯火管制下でも車列を組んで移動できる。前部のマーカー灯は概ね18m(60ft)以下で2つ、それ以上離れると1つの光に見えるように設計されている。
エンジンは原型の仕様を引き継いだ740cc(45立方インチ)の空冷V型2気筒で、弁機構はサイドバルブ式のいわゆるフラットヘッドエンジンである。
ハーレーは1936年により高性能なOHVエンジン(通称ナックルヘッド)を登場させているが、サイドバルブ式が採用されたのは大戦期のウィリスジープも同じである。
関連項目
テクニカルマニュアル(教範) TM 9-879 Motorcycle, Solo (Harley Davidson Model WLA) 1943(archive.org) https://archive.org/details/TM9-879/page/n130/mode/1up