ハイオクガソリン
ノッキングの起こしにくさを表す「オクタン価」が高いガソリンのこと。燃焼カロリーが高いわけではない。通常日本で売られているレギュラーガソリンはオクタン価90〜91程度だが、ハイオクガソリンのオクタン価は98〜100となる。
レギュラーガソリンよりだいたい1リッターあたり10~15円くらい高いのが相場である。
ガソリンエンジンは圧縮比を高めるほど高効率とされるが、反面あまりに高圧縮比にしてしまうと、スパークプラグで点火する前にガソリンが自然発火・爆発してしまう。これを「ノッキング」と呼ぶ。
一般的な車両であればオクタン価は低くても問題はないが、高出力を身上とするような高級車・スポーツカーでは、このノッキングを起こさないようにオクタン価を高める必要があるのである。
また欧州で売られているガソリンは、95オクタンが標準であるため、欧州の輸入車などはハイオク仕様であることが多い。他にもエンジンチューニングを施した場合もハイオクが必要になる場合がある。
ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを使用しても走らないわけではないが、燃費と加速が悪くなったり、エンジンの寿命を下げたりすることがある。ハイオクが入手できない状況であれば仕方ないが、レギュラーガソリンの常用は避けたほうがよい。また車種によってはレギュラーガソリンの使用を一切禁止しているのもあり、その車に対してレギュラーを使用すると故障の原因になるので使用は厳禁である。
逆にレギュラー仕様車にハイオクを入れるのは問題はないが、特にそれで高性能になるというわけでもない。有名なガソリンスタンドのハイオクガソリンはどれも付加価値として燃料添加剤が入れられているが、レギュラー仕様車にとってそれが価格に見合った効果があるかというと微妙なところで、別に市販されている添加剤を買って使ったほうがコスパは良いだろう。
2020年6月、毎日新聞がガソリン元売り各社がハイオクガソリンを他社製と混合して出荷していることをスクープした(古くからの自動車好きには周知の事実)。