肉筆
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にくひつ
肉筆は、筆を使って描いた作品で、版画などと区別するために用いられる言葉。
本来浮世絵は風俗画という意味であり、版画だけではなく、絵画も含んでいた。しかし、技術の進歩などにより印刷物の価格が下がり、反故として扱われ海外に輸出されたものが評価され、その評価が逆輸入されたため、浮世絵という言葉は主として版画を示すものとなってしまった。
そのため、作家がじかに筆を執って描いたものを区別するために生まれた言葉である。
このような作品の例としては16世紀ごろの初期の風俗画である初期肉筆浮世絵(この時代はまだ版画は多く用いられておらず、ふすまや天井に描かれているものが多い)、江戸幕府になってからの肉筆浮世絵(このころより床の間で観賞するための作品が増える)が登場する。
版画による浮世絵が安価なものとなってからも、高価な美術品としてこれらの作品は製造されており、富豪階級の注文生産なども行っていたとされる。そのため、外国に流出することなく伝わっているものが版画による浮世絵よりも多いといわれている。
主として日本画の作品に用いられている。
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