概要
劇場版としては「バビロンの黄金伝説」以来10年ぶり(OVAとして作られながら劇場公開された「風魔一族の陰謀」からは8年ぶり)の作品。
長年ルパン三世を演じてきた山田康雄が予告編を収録した時点で倒れてしまい、そのまま意識が戻らず死去したことから、ものまねタレントとして活躍していた栗田貫一が急遽代役としてルパン三世役に抜擢された。映画のラストには「永遠のルパン三世 山田康雄さん ありがとう」というテロップが差し込まれ、元祖ルパン三世:山田康雄との別れを多くの人が惜しんだ。
栗田はこの後に放送されたTVスペシャル「ハリマオの財宝を追え!!」をもって正式に採用され、ルパン三世役を受け継ぐ事になった。
また、当時の世相を反映して湾岸戦争後のアメリカの覇権をテーマとして、ルパン一味とカルト教団がアメリカを舞台に対決する作品になったが、そのカルト教団が偶然にも当時のオウム真理教事件に被る形になってしまったことも話題になった。
キャッチコピーは「今世紀最大の犯行予告」
あらすじ
1999年、新興集団「ノストラダムス教団」の指導者ライズリーは1月に起きた原潜爆発事故はノストラダムスの預言書ですでに予言されていたことであり、この後に訪れる世界滅亡から逃れるには自らが持つノストラダムスの「失われた預言書」の予言に従わなければならないと説き、多くの信者を集めていた。
一方、ルパンと次元はリオデジャネイロのカーニバルの中、150万ドルのダイヤを盗み出すことに成功し、銭形の追跡からも逃れ、喜んでいたが、乗った旅客機の中でダイヤを隠したぬいぐるみを生意気な少女:ジュリアに取られてしまう。ジュリアを追いかけるとなんと彼女の教育係になっていた不二子に出くわす。
取り戻すように不二子に懇願するルパンだったが、その時、旅客機は武装したハイジャック犯たちにハイジャックされてしまう。身代金を渡さなければ爆弾を起爆するという犯人達だったが、爆弾のスイッチが独りでに入ったことでパニックになり、ルパン達や客に撃退されてしまう。
飛行機から全員脱出したものの爆弾は本当に爆発し飛行機を完全に破壊した。その規模、状況からただのハイジャックではないと勘付いたルパンだったが、目の前で謎の男達にジュリアが誘拐されてしまう。ルパンは一緒にダイヤが持って行かれてしまったことを嘆くが、不二子はジュリアには5000万ドルの命運がかかっているとルパンたちに告げる。
実はジュリアの父は次期大統領選にも出馬しようとしている一大財閥「ダグラス財団」の会長であり、彼の持つ「失われた予言書」に5000万ドルの価値をつけた人物がいて、それを狙ってジュリアに近づいたというのだ。
しかし、金庫室はダグラス財団の誇る1000mを越える巨大ハイテクビル「アーネストビル」の最上階で、家族以外の人間には決して開けることができない鉄壁のシステムが敷かれているという。攻略の為、唯一そのシステムを突破したものの、捕まってしまったという泥棒の先輩フィリップ爺さんを訪ねてルパンは監獄島へ渡るが、そこにはジュリアを誘拐した犯人の姿があった。
何故、男たちは監獄島へやってきたのか?何故、ジュリアを誘拐したのか?失われた預言書は本物なのか?
そして、ルパンはこのハイテクビルを攻略し、失われた預言書を手に入れることが出来るのか!?
「今世紀最大の犯行予告」が今、告げられる
余談
- 山田康雄が最後に収録したもののうち、予告編第1弾はDVDに収録されているが、TVスポット第1弾~第3弾はDVDに収録されておらず幻と化してしまっている。