ケーブルを用いて行う有線放送のうち有線ラジオ放送を除くもの。広い意味ではこれを中心として高速インターネット接続や電話(固定電話)なども含む複合的なサービスを指す。
主なサービス
テレビ放送の再送信
ケーブルテレビ局のサービスエリア内でアンテナを使って普通に視聴できる地上波テレビ局とBS放送やスカパー!に代表される衛星放送をケーブルテレビ会社が保有する受信点で受信して局が保有するケーブルを通じて加入世帯へ配信するもの。早い話は1本の大きなアンテナを皆で共有してテレビを見ること。
地域やケーブルテレビ局によっては本来その地域では受信できない放送局を再送信している場合があり、それは区域外再放送という。例えば群馬県や栃木県、茨城県などをサービスエリアとするケーブルテレビ局でのTOKYOMXの再送信や大阪府をサービスエリアとするケーブル局でのサンテレビの再送信などが当てはまる。地方のアニメファンなどはこれで助かっている人も多いのでは?
高速インターネット接続
局やプランによって異なるがブロードバンド環境が今まで整っていなかった地域でも快適にYoutubeやニコニコ動画を視聴できるレベルの速度を提供してくれる。
一例としてジュピターテレコム傘下のケーブル局では下りで最高160Mbpsを出せる。
共同受信設備
日本初のケーブルテレビは1955年に群馬県の伊香保温泉でNHKが難視対策実験として始めたものが最初とされる。だが実際は1955年以前より共同アンテナの設置は行われていた。その後も都市部や山間地の難視聴地域解消のために各地で共同アンテナとテレビ組合が作られ発展した。
ケーブルテレビのことをCATVと略すことが多いが、これは「共同受信」を意味する英単語「Common(Community) Antenna TeleVision」の略である。お間違い無きよう。
自主放送
ぶっちゃけた話、見たいテレビ局が見れればそれでいいのだが、ケーブルテレビ局によってはサービスエリアの地域密着情報番組を自社が保有するチャンネルで放送している。ちなみにP.A.WORKS製作のオリジナルアニメーション花咲くいろはは富山県、石川県、福井県のケーブルテレビ局の自主放送チャンネルで放送された。ちなみに富山県では北日本放送が放送した。
区域外再放送について
日本のテレビ放送は都道府県単位または広域圏単位で放送エリアが決められている。しかし地方に行くとテレビ局が5局もないような地域が多い。そのような地域では隣接する地域の放送局をケーブルテレビが再送信することがあり、これを区域外再放送という。
青森県の下北半島に位置する風間浦村では県内の放送局(RAB・ATV・ABA)を受信することが地形的条件から難しく、長年津軽海峡を挟んで30kmほど離れた函館中継局から送信される在北海道局を自力受信、あるいは村営のケーブルテレビで再送信していた。そのため風間浦村の村民の中には「青森県知事は知らないが、北海道知事は知っている」という人が居た。
地デジ化された現在は青森に系列局のないフジテレビ系列のUHBとテレビ東京系列のTVhと地元局を村営ケーブルテレビで再送信しており、東北地方で唯一テレビ東京系列をケーブルテレビで視聴できる地域となっている。