概要
2013年7月25日にニンテンドー3DSにて発売。前作『逆転裁判4』から1年後の世界がストーリーの舞台。
今作では『逆転裁判4』で弁護士の資格を失っていた成歩堂龍一が、ある「大事な約束」を果たすために弁護士に復帰し、主人公として登場する。また、前作の主人公・王泥喜法介や、新たなパートナーとして新人弁護士・希月心音(きづきここね)が登場し、彼らもストーリーのメインキャラクターとして活躍する。3人がそれぞれ主人公を担当するエピソードが収録されていることが本作の特徴のひとつ。
『3』の綾里千尋・御剣や『4』の成歩堂、『検事2』の御剣信の様にストーリーの途中で主人公が一時的に変化するケースは過去作に幾度かあったが、いずれも過去のストーリーや特殊な事情等による一時的な物だったのに対し、本作では成歩堂、王泥喜、希月の3人がいずれも主人公格の存在として扱われるという、シリーズでは初のケースとなっている。
ゲームシステム
これまでは画面が2Dのグラフィックで描かれていたが、今作では公式のイラストのタッチはそのままに、キャラクターや事件現場、法廷等、さまざまな場面が3Dで描かれるようになった。
「探偵パート」では事件現場が3Dで表現され、3Dを活かした捜査を行うことが可能となり、「法廷パート」では新しいシステム「ココロスコープ」や「カンガエルート」が登場。また、成歩堂の「サイコ・ロック」や王泥喜の「みぬく」も、前作から引き続き登場する。
また本作ではストーリーのところどころに「アニメパート」が搭載されており、登場するキャラクターの音声は本職の声優が演じている。ほかにも、有料でダウンロードして遊べるさまざまな「スペシャルコンテンツ」が用意されている。
今作で搭載された新しいシステムは以下の通り。
ココロスコープ
心理学を学び、相手の声から感情を聞き取れる、希月心音の能力を活かした新システム。「法廷パート」でわけあって本当のことを話せない証人が現れたときに使用する。
彼女が首から下げている「モニ太」が映し出す映像の四隅に配置された「喜」「怒」「哀」「驚」のアイコンを見て、証言の内容とムジュンしている「感情」を指摘する。また、証人の中には感情の暴走により正しく証言できない者もおり、そんな時は感情が暴走している原因を探って指摘し、証人の混乱を解いていく。正しく指摘することが出来れば、新たな情報が入力されて証言が更新され、「ノイズレベル」がゼロになるとココロスコープ成功となる。なお、指摘を間違えてもペナルティは発生しない。
カンガエルート
「法廷パート」で審理が大詰めになると発生する新システム。頭の中で事件を振り返り、提示される選択肢から正しいものを選んでいき、事件の真相をアキラカにしていく。選択を間違えてもペナルティは発生しない。
相談する
「法廷パート」の尋問中、「つきつける」コマンドでムジュンの指摘に失敗して何度かペナルティを受けた場合、パートナーに相談してヒントをもらうことができる。
探偵メモ
「探偵パート」の新機能。「法廷記録」内で確認できる。事件の概要やこれまでの調査内容、次の目的などが記されている。
スペシャルコンテンツ
特別なエピソードや、おまけ要素を楽しめるモード。一部、有料のコンテンツも存在する。
クイズ逆転推理
「成歩堂なんでも事務所」の面々によるストーリーが展開し、謎の人物「クイズクン」から出題される推理クイズを解いていくゲーム。「序章」「前編」「中編」「後編」の全四話構成で、序章は第一話クリア後に無料で遊べるが、前編以降は2013年8月1日からインターネットで一週間おきに有料配信される。各話150円。後編までクリアすると、特典としてレアコスチュームが入手できる。
コスチューム変更
インターネットでコスチュームパックをダウンロードすることで、成歩堂、王泥喜、希月の服装を変更してゲームをプレイできるようになる(変更した服装は一部、反映されない場面もある)。成歩堂は8年前の成歩堂のあの服装、王泥喜は私服、希月はセーラー服が用意されている。コスチュームパックは2013年8月16日以降は有料(150円)での配信となる。
イベントカット集、ムービー集
ゲームクリア後に追加される。ゲーム本編で使用されたイラストやアニメパートを閲覧できる。
特別編「逆転の帰還」
弁護士バッジを取り戻したばかりの成歩堂が最初に担当した事件を描く追加エピソード。成歩堂が、被告人(?)である水族館のシャチを弁護するというストーリー。配信日は2013年8月15日、価格は800円。
主な登場人物
「成歩堂なんでも事務所」の所長。8年前にある事件に巻き込まれ弁護士の資格を失っていたが、ある約束のために再び弁護士に復帰することを決意した。依頼人の無実を信じ抜く心を持ち、「ハッタリ」と「逆転の発想」を武器とする。
成歩堂の下で働く赤いスーツの熱血弁護士。前作『4』で成歩堂に出会い、今は「成歩堂なんでも事務所」の一員として立派に成長している。自身の左腕にはめた「腕輪」の反応から証人のクセを見つけることで、相手のウソを「みぬく」ことができる能力を持つ。
「成歩堂なんでも事務所」の新米弁護士。アメリカで心理学を学んでおり、相手の声のトーンから「感情」を聞き取る能力を持つ。喜怒哀楽が豊かで、とても勝ち気な性格の女の子。
成歩堂みぬき(なるほどうみぬき)
「成歩堂なんでも事務所」で「芸人」として活動しているマジシャンの少女で、成歩堂の養女。王泥喜と同じく、相手のクセをみぬく能力を持つ。
過去に天才検事として成歩堂と何度も法廷で戦った男。現在は検事局長の座に就いている。
殺人の罪で服役している囚人でありながら、検事を勤めている謎の男。通称『ユガミ検事』。ココネと同じく心理学を学んでおり、言葉巧みに相手の心理を操る。
「ジャスティス!」を合言葉に、市民の平和を守っているらしい、アツい刑事。コンビを組む夕神検事をなんとか更生させようと考えている。
過去作で登場していた亜内武文(あうちたけふみ)検事の弟。ネチネチとした物言いで弁護士や被告人をイビるイヤミな検事だが、カンロクのなさは兄譲り。
『4』で王泥喜と法廷で闘ったキザな検事。「ガリューウエーブ」というロックバンドのリーダーとしての活動もしていたが、『4』のエピローグ時点でグループを解散し、いまは検事の仕事に専念している。王泥喜のことは親しげに「おデコくん」と呼んでいる。
綾里春美(あやさとはるみ)
綾里家の分家の少女で、天才的な霊媒師の素質を持つ。過去に何度も成歩堂の調査に協力しており、今回もある理由で成歩堂のもとを訪れる。
地方裁判所の裁判官。他人の意見に影響されやすいが、いつも、最終的には正しい判決を下してくれる。