曖昧さ回避
生体起源の分子認識機構を利用した化学センサの総称。一般的には『バイオセンサ』と表記される。
生体の持つ酵素やイオンチャネルなどにより基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を信号変換器で電気信号へ変換する装置のこと。
『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するバイオセンサー
サイコミュシステムをファンネル等の武装制御用としてではなく、モビルスーツ(MS)の機体制御機能の方向性に特化・簡略化させたもので、搭乗者の意志を駆動システムに反映させ機体の反応速度やコントロール精度を向上させる簡易サイコミュとも言うべきシステム。分類的には準サイコミュの一種とされる。
グリプス戦役中期頃、複合企業アナハイム・エレクトロニクス社によって実用化された。
一年戦争後、サイコミュ及び周辺技術は地球連邦軍によって秘匿されていたが、その基本データは幾つかの民間企業にも流出しており、独自に研究が進められていた。この内、一般的にはアナハイムによって開発されたものがバイオセンサーと呼ばれる。
グリプス戦役においてエゥーゴとティターンズの両陣営に兵器を供給していたアナハイムは、ニュータイプの資質を有すると思われるパイロットに供与するMSにはブラックボックスとしてバイオセンサーを極秘裏に搭載していたと言われている。
システムにはリミッターが設けられており、ニュータイプ能力の低いパイロットが搭乗した場合には、バイオセンサーは起動しないようになっている。
バイオセンサーはあくまでも機体のコントロールシステム補助のためのデバイスであったが、極めて高いニュータイプ能力を持つパイロットが搭乗した際、その戦闘時にはパイロットの感情の昂ぶりに反応して一時的に許容量以上にビームサーベルを巨大化させるなど数々の想定外の現象を引き起こすことになった。
特に唯一システムを完全起動させることに成功したと言われるカミーユ・ビダンの搭乗したΖガンダムの場合は、ビームライフルの直撃を弾き返すサイコ・フィールドの発生、周辺の敵機の索敵モニターの撹乱、オーバースペックなまでの機体の出力増大、システムを通じ死者の思念との精神的な同化を行い敵機の操縦制御を奪うといった超常的現象を引き起こした。
また、第一次ネオ・ジオン抗争末期ではジュドー・アーシタが搭乗したzzガンダムは、システムのオーバーロードによって限界出力を超えたハイメガキャノンを発射している。
第一次ネオ・ジオン抗争後はネオ・ジオンからの技術流出によってサイコフレーム等のより効率的で安定したシステムの開発が進んだ事もあり、バイオセンサーを標準的な制御機器として確立させることは行われずに終わった。
しかし、Ζガンダムの量産機たるリ・ガズィにもニュータイプ対応装備として搭載された他、開発によって得られたノウハウはスピンオフという形で後続の機体に活かされており、νガンダムの開発等にも寄与している。
宇宙世紀0120年代の機体であるガンダムF91にもバイオコンピュータとリンクさせる形で搭載されていたと言われている。