主に電車や近年製造された気動車に採用されている。自動連結器のような隙間がなく、乗り心地が良くなる。略して密連と呼ばれる。
種類
柴田式
鉄道省技手・柴田衛によって1930年代初頭に開発された。彼の兄は自動連結器の設計者である。
電車用の密着連結器で、国鉄電車に正式採用され、のちには私鉄でも採用が広まり、現在では主流となっている。
新幹線用密着連結器
構造は柴田式とほとんど変わらないが、連結器の突起部が丸くなっているのが特徴。主に東北・上越・秋田・山形新幹線で乗客が気軽に見られる。
トムリンソン式
アメリカのトムリンソン社が開発した連結器。日本国内では東京メトロ銀座線・丸ノ内線・西日本鉄道・京福電鉄嵐山線で使われている。
柴田式よりも小型で、連結面の四隅の位置決めポストがあるのが特徴。
バンドン式
アメリカのヴァン・ドーン社が開発した密着連結器。戦前は付随車や貨車を牽引するような地方軌道で多く普及していたが、戦後も継続して使用したのは阪神電気鉄道のみ。
柴田式よりも薄型で、ブレーキ用空気管が連結器内部に配置されている事が特徴。国内では1971年に製造が中止され、阪神電鉄は以降の新車用には在来車発生品を転用した。日本工業規格(JIS)からも1994年に削除された。
阪神電鉄でも近鉄との阪神なんば線を通じて直通運転を開始することに伴い、従来車の連結器が近鉄と同じ柴田式密着連結器へ交換された。ただし運用が独立している武庫川線用の車両には今もバンドン式が残っている。
ウェスティングハウス式
アメリカのウェスティングハウス社が開発した密着連結器。中央部に19接点の電気連結器コネクターが、下部に2本の自動空気ブレーキ用空気管が、それぞれ内蔵されていることが特徴。
日本では京浜急行が1960年まで使用していた。