概要
アジア大陸の東北部、沿海州に位置する満州を発祥地とする民族であり、満州からロシア領のシベリア・極東にかけての北東アジア地域に住む、『ツングース系民族』の一つとされている。
『満州民族』『満州族』とも呼ばれ、古くは『女真族』とも呼ばれた。
かつては支那およびモンゴルの全土を支配した清朝が治める大清帝国が興り、中期までは名君に恵まれたこともあって長く政治が安定し、経済も繁栄した超大国、北東アジアの最大勢力として約270年間ものあいだ君臨した。
しかし、辛亥革命により清が崩壊した後は一時期日本に保護された後に、敗戦による日本の弱体化により中国に領土化され、現在も少数民族として約1000万人の満州人が暮らしているが、中国共産党が行う民族浄化による『漢化』の強制により、彼ら独自の文化や伝統は多くが抹殺され、すでに彼らの独自言語であるハズの満州語が分かる者は1万人に1人しかおらず、話せる者に至っては僅か50人しかいないと言われている。
創作における満州人
ラストエンペラー、蒼天の拳に愛新覚羅溥儀が登場するなどしているが、日本の創作においてはラストエンペラー序盤を除けば西洋化が進んだ20世紀の姿しか描かれていないと言っていい。中国ドラマでは西太后がドラマの主人公になるなど、19世紀以前の姿が描かれる機会は比較的多い。その習俗は霊幻道士シリーズでキョンシーの着用する埋葬服として満州服が登場しているほか、清王朝時代を舞台とするカンフー映画に辮髪の主人公が登場するなどしてごく一部ながら目にすることができる。